内容説明
TPP(Trans‐Pacific Partnership)とは何なのか。加盟国間の関税を撤廃し、自由貿易を促進するという通り一遍の説明の裏側で、グローバリズムは世界各地で深刻な状況を引き起こしている。日本のみならず、米国の国会議員ですら内容を知ることができないまま、参加国は妥結に向かって不気味に邁進させられてきた。今後、日本はどうなっていくのか。民主党政権時のTPP参加表明の舞台裏から最新の交渉状況まで、元農林水産大臣である著者が、世界各国の関係者と連携して暴く秘密交渉の正体。リークした知的財産権の章(抄訳)も収録。
目次
TPPの原点は北米自由貿易協定にある
日米並行協議がTPPよりも恐ろしい
TPPは日本にとって百害あって一利なし
韓国はどうなったか
食の安全は本当に守れるのか
日本の農業はTPPでどうなるのか
医療も介護も金持ちでないと受けられない
安い労働力が入ってきて、日本人の賃金が低下する
「軽」自動車の税負担軽減措置がなくなる
地方自治体はTPPでどうなるのか
ISD条項で国の主権は失われる
インターネットの自由が損なわれる知的財産権の交渉
経済のグローバル化が国家の自由独立を損ねる
秘密協定であることが恐ろしい
著者等紹介
山田正彦[ヤマダマサヒコ]
1942年長崎県五島生まれ。早稲田大学第一法学部卒業。元農林水産大臣。弁護士。司法試験合格後に五島で牧場を経営。次いで法律事務所設立。1993年衆議院選挙に初当選、2012年まで5期15年を務める。民主党次の内閣ネクスト農林水産大臣、ネクスト厚生労働大臣、衆議院農林水産委員会委員長などを歴任。2009年政権交代し民主党鳩山内閣で農林水産副大臣、菅内閣で農林水産大臣。その間念願の農業者戸別所得補償を実現する。TPPに反対し先頭に立って活動、現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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