竹書房文庫
実話怪談覚書 有毒花

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  • サイズ 文庫判/ページ数 223p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784812493403
  • NDC分類 147
  • Cコード C0176

内容説明

耳を澄ませて書き綴った実話は夢のようにリアルでありながら奇妙な展開をみせ、あっ、この話はヤバいと思わせる恐怖を見事に屹立させている。怪談40篇を収録。

目次

花束と声
いぬ


帽子
タイガー
煙一本
食べ合わせ
口時計
心霊写真〔ほか〕

著者等紹介

我妻俊樹[アガツマトシキ]
歌人。怪談作家。2005年、第三回ビーケーワン怪談大賞で大賞受賞。短歌や創作怪談というジャンルで日常と非日常のあわいにある恐怖を作品化する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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夢追人009

141
竹書房の怪談文庫ではお馴染みの言葉「怪談ジャンキー」とはよく言ったもので本当に我妻俊樹さんの怪談噺はどれもまともな代物ではなくイカレタけったいな悪夢に悪酔いしそうになりますが癖になって頁を繰る手が止まらず何時までも読んでいたい心地になりますね。『泥酔』酒癖の悪い江尻さんが親友Kさんの葬儀の帰りに仲間達と呑むとタガが外れ気づけば、またどこかの店のカウンターにいた。ママにKの名前を言うと、さっきまでそこに居たという。偶然にもKと同姓なのだなと思いながらふと足元にKの使っていたのとよく似たマフラーを見つけ拾う。2020/11/07

HANA

36
実話怪談集。上善水の如しと言うものの、あまりに淡白だと飲んだ気がしない。それと同じく全ての話が朧ろげで怪談なのか普通の話なのか、その境をふわふわ漂っている様であった。話のいくつかは本人の主観によるものが多いため、さらにその傾向に拍車をかけている。ただ歌人独特の気味悪い言葉遣いがある話があり、それは秀逸であった。話の内容よりそちらの方が後に遺るくらい。例えば「心の花」の造花に付されたメッセージとかは薄気味が悪く実にいい。淡白な水のようなものを飲んでいると、後から喉にその言葉が引っ掛かる。そんな印象を受けた。2013/03/05

瓜坊

18
歌人でもある我妻俊樹さんの実話怪談集。語らない怖さが上手いな、と改めて思う。事象を言葉に結ぶときの繊細な作業で、結晶の背後に浮かび上がる不安な叙情。あとがきで、伝記は点を意味があるように実線で繋ぐ事で、そこで拾われなかった人生の大部分の点を結んで怪談という形にしていくとあったが、因果で簡単に語れる怖さなんて実は大して怖くないと感じるしその通りだと思う。感覚や認識のズレ、記憶、伝聞...事実というものは不確かで存在し得ないことの怖さ。この怪談集はまだ初期の頃のものなので怖さよりは不思議な余韻を楽しめて、イイ2017/06/13

ラルル

16
決して悪くは無いんですが、印象に残るような話があまり無かったように思ういます。しかし「ナリカワリと鬼」はとても良かった。こうした不気味で不思議な話は好物です。2013/05/20

澤水月

15
夢か現か、とても静謐な雰囲気の漂う実話怪談集。情趣深さは著者が歌人というのもあるのだろうか。たまにはFKBらしからぬこういうのもいい、平山氏コメント欲しかったな。古書店怪談「顔」、バンド怪談「心の花」が出色。「ナリカワリと鬼」はぞっとした。2013/03/02

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