内容説明
新人看護師の美山可奈は、院内を巡回中に霊安室に安置されている遺体の「…た…す…け…て…」という声を聞いてしまう。精神科の主治医・桂川頼子から、その遺体は病棟で起きた殺人事件の被害者・矢野瑞希のものであり、殺人事件の犯人はいまだ捕まってないと聞かされる。廊下で見た警備員の幽霊、無表情の看護士たち、ロビーで聞いた不気味な笑い声、矢野瑞希の隣室にいた車椅子の少女・アリサはこの殺人事件の秘密を知っているかのように見える。そんなある日、女医・頼子の机の引き出しから、白いタオルに包まれた血まみれの電気メスを発見してしまう。病棟を覆いつくす得体の知れない暗い闇。そして、この暗い闇の奥深くへ飲み込まれていく可奈。一体この闇の正体とは…。表題作を含む十二本の怪異譚を収録。
著者等紹介
福谷修[フクタニオサム]
ホラー、ミステリーを中心に映画監督、小説家、ゲームクリエイターとして活動。作家としては『渋谷怪談』(竹書房)でデビュー後、ホラー小説を中心に活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。