出版社内容情報
身近なところに闇はある…。日常が非日常に変わる瞬間をとらえた珠玉の実話怪談。黒史郎の人気シリーズ第3弾!
内容説明
頭蓋の内側に悪寒が走る恐怖を描く黒史郎の異界怪談シリーズ第3弾!浚渫工事中に発見された常識では考えられぬ奇妙なものとは「川の底から」、元アイドルが激白した怖気立つ恐怖体験「楽屋で見たものは」、凄惨な歴史を伝える北朝鮮の博物館で起きた戦慄の怪事「戦争博物館の叫び」、真夏の工場で降りかかった酸鼻を極める著者自身の実体験「移動する死臭」、タクシー運転手がかつて怪異を目撃した場所、そこに隠された因果とは「首無し地蔵」など数々の怪異譚を収録。漆黒の暗闇から覗く冥界は、狩り取る者を探している!
目次
「い」
オキテ
ハナっちゃんで笑う
右側だけ
弟たち
日の丸の旗
亡祭
444
川の底から
N寺峠〔ほか〕
著者等紹介
黒史郎[クロシロウ]
小説家として活動する傍ら、実話怪談も多く手掛ける。単著に『黒塗怪談 笑う裂傷女』、「実話蒐録集」シリーズ、「異界怪談」シリーズ『暗渠』『底無』、『黒怪談傑作選 闇の舌』ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
212
黒史郎さんは本書の後書きで今はコロナの時代の怪談を追い求めていると書いておられまして流石の前向きな姿勢だなと感心しましたね。本書を読んで気づいたのは毎回同じ様な類型的な話ばかりではいけないと自戒されているかの様にストーリーに凝った捻りが感じられる点ですね。必ずしも全てが成功しているとは言えないにせよ私は著者の努力を大いに讃えたいと思いますね。ホッとさせておいて…『足りなかった』玲美さんは島根で開催される野外ライブに行くついでに同県に実家のある専門学校時代の友人に声を掛けて終わった夜に泊めて貰おうと考えた。2021/02/27
眠る山猫屋
48
ううん、あまり怖くないな・・・とか思っていると時折ゴツン!とくる。ラストにある『ヨコハシ』久々に再会した元同僚の指はおそらく2本くらいしか残ってなかった、って・・・。2021/10/21
さりぃ
20
#異界怪談 暗狩 #黒史郎 Kindleaunlimitedで読了。 これまた6月始めに発行の新しい本。 『オキテ』『川の底から』『戦争博物館の叫び』 『菊の花』『赤い日』『ヨコハシ』 辺りが面白かった。2020/07/27
澤水月
16
舌を噛んで亡くなったという人物のことをいつまでも笑いのタネにするいい大人の親戚たちってそれだけで怖い。鶏が先か、卵が先かのタイトルの妙(「ラッパーもムリ」とかそれだけで読みたくなる)。北朝鮮の戦争博物館の怪談はさらりと、しかし大変貴重な記録かと思う。全体に巧みで不穏2020/07/06
qoop
13
一冊の中で、明確な怪異とは云い難い話(例えば〈ハナっちゃんで笑う〉)の分量が増えたと感じられた。大上段に振りかぶった怪談ではなく、微妙なズレを幽けき在り方のままに文章化し、明瞭な怪異譚と混ぜて一冊にするのは簡単なようでいて匠の仕事だろう。自然体のようでいて意識的に組み直す作業が必要というか。原始芸術にインスパイアされたピカソの作風を思い出した…というと大仰だろうか。印象的な作品を挙げるとキリがなくなりそう。2020/07/05