内容説明
怪異が原因で人が死んだ話、失踪した話、人生が狂ってしまった話―すなわち凶悪なレベルで呪いや祟りが発動した実話ばかりを集めた実話怪談集。容赦ない力があなたを闇に突き落とす衝撃の23話!
著者等紹介
神沼三平太[カミヌマサンペイタ]
神奈川県出身。大学の非常勤講師として働く傍ら、趣味で実話怪談の蒐集を始めた。実話怪談コンテスト超‐1/2010年大会、稲川賞受賞。第8回ビーケーワン怪談大賞優秀賞受賞。2011年『恐怖箱臨怪』(竹書房文庫刊)にてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夢追人009
229
神沼三平太さんは有名な東西のお笑いの達人の名前を付けられていますが、作風は情け容赦のないハード路線その物ですね。普通はドラマなんかだと主人公がピンチに陥ると時々は運命の神様が救いの手を差し伸べてくれたりするものですが、そういう事は一切ない徹底的に無情な話が最初から最後まで延々と続きますので覚悟してお読み下さいね。残酷な運命の悪戯に憐憫の情が込み上げる哀切な話。『仏壇』奈美子さんの小学生時代の友人に智子という子がいて彼女は代々続く旧家の一人娘として生まれ育ち頭が良く絵の才能もあってクラスで一目置かれていた。2021/04/24
ゆみきーにゃ
87
また怪談本にハマりそう(^^)能面の家が一番印象に残ったお話。この方の文章読みやすい。2022/03/21
眠る山猫屋
63
このシリーズ、やはり後半に行く程狂気の具合がエスカレートして行ったのだなぁ。逆順に読んだが、ややソフト。もっとも、怖さはかなり強め(笑)この作者さんはかなりの強者だ。家族を狂わしていく『面飾り』、不法投棄の現場に呼ばれる『コインロッカー』、代々護ってきた井戸に訪れる善意の仮面を被った何者かたち『涸れ井戸』あたりが怖かったな。怪異を乗り切ったかに見えた語り手たちも、安寧には生きていけなくなってしまう程の終りの見えない怪異。2023/03/28
あたびー
43
先行して読んだ「吐気草」が非常に禍々しく興味深かったので、その他の「草」シリーズも読んでみようと思った。どれも人が亡くなったり行方不明になったりするかなり危険な話ばかりだ。巻末の大ネタ「銀版写真」はその最たるものか。一族繁栄の為に人を人とも思わぬ呪に手を染めた一族。銀版写真に現れる不可思議な現象と、呪いの伝播。この話ひとつで充分長編ホラーになりうる重さだ。この本に登場する怪異に会って人々のご冥福と、生きている場合の安全をお祈りするばかりである。次行こう。2023/02/20
田中
33
救いのない怪異が二十三話。どれもこれも実話とは信じがたいほどの悪い因縁(怨霊)に取り憑かれる。「御影石」は、北関東のある集落が廃村になった奇怪な顛末だ。出土する丸石に名前が刻まれている。刻まれた名の人は必ず亡くなる。その後に村で地滑りがおきる大災害。なぜこんな不幸が次々と起こるのか。「銀版写真」は、リアルな強い祟りと霊障である。旧家のおぞましい歴史と経緯を興味本位で取材をして取り憑かれてしまった。呪怨が渦巻くけがれた土地にかかわっては決していけないのだ。本当に恐い話である。【日本の夏は、やっぱり怪談】 2023/07/02