内容説明
遺伝学者レナ・クランドールとローランド・ノヴァク神父は、クロアチアの洞窟でネアンデルタール人の遺骨らしきものと壮麗な壁画を発見するが、謎の一団の襲撃を受けて洞窟内に閉じ込められる。シグマフォースのグレイ・ピアースとセイチャンによって救出されたものの、遺骨は奪われてしまう。遺骨の謎を探るため、グレイたちはアタナシウス・キルヒャーという十七世紀の神父が残した手がかりを追う。一方、アメリカにいるレナの双子の妹マリアは、調査に訪れたジョー・コワルスキと飼育しているゴリラのバーコとともに、中国人の一団に拉致されてしまう。ネアンデルタール人の遺骨と北京で行なわれている謎の実験の関連は何なのか?物語の前日譚に当たる短編『ミッドナイト・ウォッチ』も収録。
著者等紹介
ロリンズ,ジェームズ[ロリンズ,ジェームズ] [Rollins,James]
1961年イリノイ州生まれ。1990年代後半から作家としての活動を始め、2004年に発表した『ウバールの悪魔』に登場した「シグマフォース」を、2005年の『マギの聖骨』から本格的にシリーズ化
桑田健[クワタタケシ]
1965年生まれ。東京外国語大学外国語学部英米語学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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absinthe
158
よかった。雰囲気が名作「マギの聖骨」のころに戻った気がする。大好きだったシグマフォースが帰ってきた。このところ、ナノマシンによる地球汚染や量子もつれと地球滅亡とか、路線がはずれてどんどん遠くへ行ってしまった感があったが、素直に原点に帰ってきた気がする。こじんまりしすぎと嫌う向きもありそうだが、absintheにはちょうどよい。2017/07/09
KAZOO
98
1年ごとに翻訳されるシグマ・フォースシリーズの最新刊です。今年はさらに筆者の最初の頃の作品の「暗黒結晶」も翻訳されたので暑い夏も楽しめます。今回は類人猿と人間の先祖などが絡む物語でいつもかなり作者が苦心されているというか、工夫して飽きが来ないようにしてくれています。いつものメンバーがそれぞれ自分の役割を果たしつつ、中国の国家的な権力と対峙することで後半へ。2017/07/19
トムトム
37
ホモ・サピエンス以外の巨大なヒト属が過去に存在していた!?大きい人間、軍用に使えないか?というお話。人間はこの数万年で脳がどんどん小さくなってきている。私は「人間セルフ家畜化」説を信じます。犬・猫・ヤギ・ウシ、その他の動物。家畜化されると脳が小さくなります。人間も自分で考えることを放棄して、ルールを守っていれば生きていけるようにセルフ家畜化したんじゃなかろうか。権力者が民を管理しやすいし。2020/03/27
スー
25
久しぶりのシグマフォースやっぱり面白いのっけから引き込まれました。今回は人類の謎、我々の祖先は脳の大きさに変化がないのに突然に知能が発達して武器や芸術やアクセサリーなどの技術が急激な進歩を遂げた。その鍵は我々のDNAに残るネアンデルタール人とデニソワ人ともうひとつの人種の遺伝子だった?クロアチアの山の洞窟で大きな発見がありアメリカ人を含む調査隊が何者かに襲撃されアメリカの研究所も襲われるシグマはグレイとモンクに別れ調査を開始、このシリーズは冒険もそうですが古代の謎解きも面白いのですよね、後半も楽しみです2019/01/19
Richard Thornburg
24
感想:★★★★ シリーズ第10弾です。 今回は少し本の構成が面白くて、本編の前に『ミッドナイト・ウォッチ』なる短編の前日譚があり、コレがプロローグになっています。 本編ではネアンデルタール人の遺骨から、その進化の過程における交雑種から人類の起源に関して言及するシーンが多々出てきます。 今回Σの面々と対決する組織の明確な目的は今のところ不明ですが、中国絡みなので宗教チックな神の存在云々と言う話ではなさそう。 グレイ&セイチャンがピンチを切り抜けたところで下巻へ。2020/01/25