内容説明
怪に魅せられ、聞き集め、それを綴ること25年。伝説の実話怪談「超」怖い話の誕生から怪談とともに生きてきた著者が、いまだに恐れ慄く話がこの世にはある。たいていの話ならば似たような話を聞いたことがある、過去にはもっと怖い話があったとなりそうなものであるが、そうではないのだ。まだ、あった。怪談を山ほど知る著者が本気で怖いというのだから、我々がそれを聞いたら…。あなたに捧ぐ「未知の恐怖」!
著者等紹介
加藤一[カトウハジメ]
1967年静岡県生まれ。人気実話怪談シリーズ『「超」怖い話』四代目編著者として、冬版を担当。また新人発掘を目的とした実話怪談コンテスト「超‐1」を企画主宰、そこから生まれた新レーベル『恐怖箱』シリーズの箱詰め職人(編者)としても活躍中である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
183
著者の加藤一さんは昔から冒頭と巻末の挨拶が堅苦しくて少し苦手でしたが、4年前に出た本書では最近の時流に合わせたのか、やや砕けた軟らかい文章で読み易くなっていてホッとしましたね。そんなに固くならずに何時もこういう風であって欲しいと願いますね。『河口湖畔』高校を卒業した初めての夏、免許も取ったヤンチャ盛りの梅津君は彼女や高校時代の悪友らと7人で夜遊びに出かけ河口湖畔に皆で座って馬鹿話や怪談話をし始めた。深夜二時を回り引き上げようかとなったが仲間の恩田の姿がなく見ると湖に向かって「行かなきゃ」と呟き歩いていた。2020/12/24
ネムコ
34
私の加藤一さんとは、1991年発行の「超怖い話」の初版からだから、かなり長いお付き合いになります。しかし、しばらく実話怪談から遠ざかっていたので加藤さんの単著は久し振り。ああ、そうだ。このテイストだ。話者に仮名とはいえ印象的な名前を付け、友達から話を聞いているような気分にさせる。同じ登場人物が、何度も出てくるのも特徴的。もう一冊買ってあるから読むのが楽しみ♪ 2018/11/04
澤水月
23
著者単著。昔懐かしい初期超怖のように素朴な、しかし2016年の怪談。イ◯◯ル◯ってるはタイトルに吹き、しかしあとがきまで読みなかなか凄い。某病院怪談で描かれる怪異でない実態に胸が痛む2016/05/27
かおりんご
21
ホラー。初読み怪談師さんかな?そんなに怖くなかった。さらさらーっと読む。登場人物には名前がついているのだけれど、それが最近の怪談とはちょっと違うなと感じた。2021/01/10
柊よつか
10
加藤さんの単著を読むのは久しぶりだが、テンポなのか間合いなのか、上手く言えないが独特の筆致で、他の書き手さんとは少し異なる読後感。本書に多く収められている“すれ違った時の違和感を後で思い返して首をかしげる”タイプの怪談との相性良好。特に印象的な話は、私も墓地は落ち着く…「セーフティゾーン」、好きなミュージシャンの名前が出てきてちょっと嬉しい「二世代」、生々しい記述に暗澹たる気持ちになる「堕胎」、突き動かされるような危機回避が凄い「ダム湖」、想いの折り目正しさ「奇縁良縁」、あ、鈴堂さん!「インテル呪ってる」2016/06/05