内容説明
関西を中心に活躍している怪談作家、宇津呂鹿太郎の満を持しての単著が登場!まるで病院のベッドで煩悶するような怪談実話!51編を収録。
目次
時代錯誤の女
仮眠
帰り道
夜間警備
真夜中の客
慰霊の地
最終バス
そこにいた人
挨拶回り
知らせ〔ほか〕
著者等紹介
宇津呂鹿太郎[ウツロシカタロウ]
第三回『幽』怪談実話コンテストで佳作入選。地元を中心に怪談イベントなどで活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
150
お名前が「鹿太郎」ですので、奈良公園の鹿の連想からてっきり奈良の方かなと思っていたら違っていて実際は兵庫県の方でしたね。著者も本当に豊かな才能をお持ちで読み手を決して飽きさせずに読ませる天才にして達人だなと思いましたね。『燃える川』ある夏の夕方、当時中学生だった永森さんは夏休みで来ていた小学生の従弟と母と祖母と一緒に四人で犬の散歩に出た。やがて川に架かる大きな橋の近くに来ると「ねーえー、あーそーぼーよー」という声が聞こえる。そう話すと母と祖母には聞こえていない様で、更に男の低い唸り声も混じって聞こえ出す。2020/09/27
HANA
39
実話怪談集。何というか、このような話がありますよ。と次から次へと淡々と出され続けて、気が付けば終わっていた感じ。よく言えば誠実、悪く言えば凄みがなかったような気がする。幾つかは感心するものもあったが、大部分はそのような素朴な話ばっかりなような。何となく現在のような実話怪談隆盛以前の、一昔前の怪談話といった味わいであった。昨今の奇妙な話が中心となっている実話怪談に、幽霊という形で真っ向から切り込んだのは良かったかな。次の話に連鎖するという形式も珍しくて良かったんだけど、無理矢理すぎたのがどうも残念。2015/02/18
ラルル
34
良かったです。話の合間に挟む解説が怪談を読んでいるのではなく聴いている気分になり心地よいです。読み手の事を考えた文章でとても読みやすい。怪談本を読んでると、地域の人しか判らないような地名にフリガナが振ってなかってり、登場人物の性別が不明で、男性と思って読んでたら途中で女性だったと解って集中力が切れたりと、ガッカリする場面が多々あるのでこうした気遣いのある読みやすい文章は非常に好感が持てます2017/08/07
澤水月
14
淡々…話の末尾に「山といえばこんな話もある」などとうまく繋がったりギリギリだつたり。「乳搾り」は乳搾りやったことない人には分からない題名な気がする。宇宙人の秘密基地、山の上の電話ボックス、何よりラスト1話は素晴らしく読み通して良かった! FKBなのに謝辞は東氏向けなのがそこはかとなくフシギ2014/12/29
Kao
11
話の終わりに、〜〜と言えばこんな話がある……で、次の話に繋がるという、何か本を読んでいるというか聞いている様な不思議な感じでした。こういう書き方面白い!最終話の 絡まる これはちょっと怖かった。人の念は凄く怖い…。あと、宇宙人の秘密基地 山の上の電話ボックス 地階 が、とても印象的でした。2015/01/23