内容説明
肚に重く、粘りつく怪。著者自らが「深刻な本」と称す、衝撃の問題作。ジャンキー垂涎の“酷く”“しんどい”実話怪談!呪詛、あしげざま、吊るし雛、砕石、定礎、白い猫の話…ほか全25話収録!
著者等紹介
神沼三平太[カミヌマサンペイタ]
神奈川県出身。大学の非常勤講師として働く傍ら、趣味で実話怪談の蒐集を始めた。実話怪談コンテスト超‐1/2010年大会、稲川賞受賞。第8回ビーケーワン怪談大賞優秀賞受賞。2011年『恐怖箱臨怪』(竹書房文庫刊)にてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
171
神沼三平太さんが自分の殻を破って敢えて恐い話に挑んだとあって生温い話は一つも無く読むと震えが止まらなくなる最恐の一冊ですが、それでも著者の持ち前の才能と実力と誠実さがうかがえる充実の一冊でしたね。「親の因果が子に報う」誠に恐ろしい一編。『砕石』前田さんは、その地方では有名な飲食店のチェーンを経営し他にも賃貸アパートや駐車場を経営する資産家なのだが実は父の良光さんが相当のやり手で多少強引な所のあるワンマン経営者だった。良光さんはペンションが流行し始めた頃に高台から日本海を見渡せる良い立地の山を早速購入した。2021/01/10
HANA
63
実話怪談集。ああ、これはいい。とてもいい。引き込まれて一気読みする出来。全編どの話もとても嫌な話ばかり。毛色の変わった海外を舞台にした話、怪異が感染する話、日常にふいに襲い来る理不尽、そしてオーソドックスな因果話と内容は多岐に渡っているが、それでも一点「嫌」という部分が共通している。それも平山夢明みたいに直接的な描写は無いものの、雰囲気だけがどんどん増大して嫌感を醸し出している。これひょっとして凄い事ではなかろうか。個人的にはこの嫌感が怪談を語る上で一番大事と考えているので、読みながら大満足であった。2014/05/20
sin
61
読み友の「>お勧め」に惹かれて手に取ったが、やはり実話怪談は読んでいて居心地の悪さを感じてやまない。何度も云っているのだが、実は実話怪談が苦手だ。実話と云いながら話として成立させようとする作為的なモノがあると受け取ってしまうからだ。この作者の“まえがき”や“あとがき”にみられる如何にも手慣れた筆運び…それも含めた技巧に濁りを感じてしまうのは自分自身の猜疑心から来ることはわかっているのだが、怪談は例え実話をベースにしていても創作怪談が肌に合う。2022/02/26
眠る山猫屋
53
前半、海外からの怪談が凄まじくおぞましい。後半にはしっとりと妖しい話が控えているし、今までとはちょっと違うスタイル。特に猫のエピソードは、ある意味、猫ってこういうものだよなぁ、と思わなくもない。期待を裏切らない神沼さん。2025/03/06
☆kubo
22
どれもなかなか不気味な話で良かった。一番嫌だったのは乾電池か。反復も、似たような話は他所にもあるし、一見いい話のようだが、実はオソロシイ話という一味違うところが良かった。2014/06/09