内容説明
人死にがあったところに霊が出るのはわかりやすい話だが、「店」というのもまた怪とは密接な間柄にあるということをご存知だろうか。人と金が集うところ、怪あり…と言っても過言ではない。食欲、性欲、金銭欲、そこにはありとあらゆる欲が渦巻き、負の念が逆巻いては躍りくねり、訪れる者を飲み込もうと待ち構えている。楽しげに食事や買い物をする我々のすぐ横で、闇はぱっくりと口を開けているのだ…。飲食店から水商売、コンビニからクリーニング店まで、恐怖箱の人気怪談作家陣が「店と客、商売に纏わる怖い話」をテーマに今年も絶品恐怖を集めてきた。真の怖さを競う年に一度の実話怪談アンソロジー。
目次
発端は(鈴堂雲雀)
千客万来(つくね乱蔵)
高回転(戸神重明)
日曜の夜、あれがくる(つくね乱蔵)
艶々すべすべ(つくね乱蔵)
忘れ物(深澤夜)
もうひとつの想い(久田樹生)
交渉成立(鳥飼誠)
自販機(渡部正和)
お金持ちな客(鳥飼誠)〔ほか〕
著者等紹介
加藤一[カトウハジメ]
1967年静岡県生まれ。人気実話怪談シリーズ『「超」怖い話』冬版の編著者で、実話怪談コンテスト「超‐1」、創作怪談コンテスト「怪集」を企画主宰、コンテストの傑作選の編者をつとめている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
26
実話怪談集。今回は店・客縛りという事で企画自体は面白かったと思う。ただ全体的に話自体はどうもパンチの効いたものが少なかったように思える。「鱗紋」とか光るものがあるだけに残念。それに総勢13名が書いているというのに、どの話もあまり見分けがつかない。一つくらい読みながら震え上がる話があってもよかろうに。と先のレビューで気がつかされたが、なるほど文体が似ているのか。先人を越えるというのは、なるほど難しいものである。2012/12/06
tow
11
なかなか読みやすく、面白かった。怪から逃げる人、逃げられる人、どうしても無理な人。生きていても死んでいても正しく様々であった。2016/12/11
海星梨
8
KU。怖いのは怖いんだけど、「おぉ……」みたいなのはなかった。でもいくつか背筋がぞわってなって「これヤバくね?」みないのがある。2023/03/15
パブロ
5
この本を読んで、実話怪談の文体ってもんをつくづく考えさせられた。な〜んつって、堅苦しいことじゃないんです。ただ、平山夢明によって確立された実話怪談の文体を、みんななぞっているだけじゃないかな〜なんて思ってみたりして。だって、この文体を身につけたら、結構楽に怪談話が書けそうなんだもん。じゃあ、お前書いてみろよって言われると「ごめんなさい」なんだけど。ってなわけで、このアンソロジーも「平山文体」のために、一人ひとりの個性が埋没しちゃってて、面白い話があるだけに惜しいな〜。2012/12/06
王天上
4
怪談本、読み過ぎのためか、この本などはなんとなくほんわかムードで面白おかしく読めてしまった。「定食屋の亭主」は親父さんとタヌキのコント感覚といいますか。初めて平山怪談を読んだときは背筋が寒くなったものだが、思えば遠くへ来たものだ。2013/10/16
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