内容説明
実話怪談としては長編と言ってもいい50ページを超える大作「撃墜王」「背中」、30ページを超える中編「恋の見立て」「ヒューム」を含む全8作を収録。
目次
円錐
恋の見立て
刺突
ヒューム
魔鶏
撃墜王
鍋の中
背中
著者等紹介
雨宮淳司[アメミヤジュンジ]
1960年北九州生まれ。現役看護師として医療に従事する傍ら、趣味で実話怪談を蒐集する。2006年、実話怪談コンテスト「超‐1」にペンネームじぇいむで参加。同コンテストの優秀者によるアンソロジー作品『超‐1怪コレクションvol.3』(竹書房文庫)に衝撃の問題作「直腸内異物」を発表し、一躍注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
14
今までと比べると、陰鬱な文体が板についてきている。長めの話も多いからどうしても実話怪談っぽくないというか。いっそのこと初めから小説として発表すればいいのにと思ったりする。ただ自分はこの人の文体、決して嫌いじゃないんですよね。雰囲気を出すのが上手いというか。2012/03/09
王天上
8
長編怪談を得意とする作家らしいが、フィクション感が増すばかりで内容は薄く、長編にする必然性はあまり感じなかった。小説風なのに最後は尻切れトンボになってたりして、居心地も悪かった。普通サイズの「円錐」が面白かったので、是非こちらの路線でいってほしい。2015/09/01
パブロ
4
なんか小説だよね〜。それによって実話怪談の怖さが身に迫ってこないんです。これだけ実話怪談を描く人たちが増えたんで、それぞれ個性を出そうと工夫を凝らしているから、まぁ、しゃ〜ないか〜と思ってみたりするんですけどね。ちょっと中途半端が否めません。「撃墜王」もね、もっとブラッシュアップしてくれたら、もっともっと怖くなるのに…。ホント惜しいな〜。2012/03/08
澤水月
4
長くなればなるだけ実話感が薄れて小説テイストに… 魔鶏は良かった 短い話の畳み掛けはもう難しいんだろうか2012/03/05
加藤
3
(実話怪談の範疇だと長編らしい)中編サイズの作品が特にいい。「撃墜王」見も知らぬ自殺者の遺書が自分宛に書き綴られたものであることの禍々しさ。タイトルの由来にも恐怖。「背中」郷愁を誘う環境描写と、それを異化する怪異の取り合わせ。ジュブナイル怪談との評になるほどと。 2023/02/05