内容説明
黒木あるじ×平山夢明―二人がかりでこの世に引きずり出したぬるぬるの四十篇の恐怖譚。
目次
形見
来客
遺影
海象
悪戯
録画
盆踊
物音
釘女
耳鳴〔ほか〕
著者等紹介
黒木あるじ[クロキアルジ]
1976年青森県生まれ。2009年「おまもり」で第7回ビーケーワン怪談大賞・佳作を受賞。同年「ささやき」で第1回『幽』怪談実話コンテストブンまわし賞を受賞。山形県在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夢追人009
147
怪談本を読むと私が知らないだけでこの世の中にはこんなにも恐ろしい怪異が溢れているのだろうかと愕然としますよね。同時にやっぱり私は「視えない人」で良かったなあと真剣に思いますよね。『古本』自宅に届いたのは数年前に自費出版した経済小説だった。最後の頁に挟まれたメモには「この本を読んでいた最中に主人が亡くなり死の原因が貴方の本にあると思い私も読んで見るとおかしな事ばかりが続き具合が悪くなりましたので作者の貴方にお返しします」と書かれていた。それから家で怪異が続き見知らぬ女が現れて「おまえのせいだから」と告げる。2020/07/12
みくろ
42
今や怪談作家として安定の質の高さを誇る黒木あるじ氏、初期の頃から面白い作品が多いですね。一つの怪談本として恐怖あり、不思議あり、切なさあり…と王道でありながら実は難しい話順やその書き方がやはりうまいです。個人的には「質問」「逆爺」「観音」が怖かった。「質問」は単純に速い系が苦手で…。「逆爺」は良いお話でもあるのですが、その死に方がちょっと異様ですからね…苦しかっただろうなあとか、そういう意味でちょっと怖い。そして何より「観音」、これが今作では一番怖かったです。短いからこそパンチのあるどんでん返し好きです。2015/10/16
hannahhannah
18
黒木あるじによる実話オカルトホラー。平山夢明が監修。「形見」の不可解さが良かった。「股仏」は男にスマタをすると、彼の危機を幻視する風俗嬢の話。ハァ!?「猪跨」は物の怪なんかよりも、警察相手に暴れるお父さんがヤバいでしょ‥。個人的にオカルト話は後半になるとだれるなぁ‥。あとがきのあとがきで、平山夢明が「怖い何ものかを取り込むためと称して夜中に墓場のお供え物を喰いに行ったりするのは、どうかと思うよ、クロ」と書いている。黒木さん食い意地張り過ぎだろ。2017/02/20
澤水月
16
今年の怪談本で最高。平山怪談の素晴らしき後継者! 「予潮」には深い文学性も感じた。幽の受賞作品中唯一面白いと感銘していた作者が正当に評価され1冊をものしたのはとても喜ばしい。よくぞ見いだしてくれた。平山さんに「なろうとしなかった」のが大正解だと思う2010/11/01
アルカリオン
12
これは怖い。しゃれにならない話が結構ある。当然ではあるのだが、児童向けの「こわいはなし」とは次元が違う。2021/04/28