内容説明
それは神か仏か妖か…人はときに説明のつかぬ存在、現象に遭遇する。総じてそれを怪と呼ぶならば、「福をなす怪」と「禍をなす怪」とがある。夢のお告げで思わぬツキを得た、亡き人の霊に窮地を助けられたなど、羨ましいような不思議譚が確かに存在する一方で、怪との遭遇を切っ掛けに恐るべき凶事が次々と降りかかった例もある。祟り、神罰、なにがしかの禁忌に触れてしまった者たちが辿る戦慄の運命…。吉を3とすれば、凶は7。本書はその中でも両極端と言うべき強烈な実体験のみを厳選して収録した。
目次
まえがき―銭魂
機縁(端緒;行動 ほか)
吃驚禍福(オーバー・ザ・レインボウ;二つの茶わん ほか)
四十六(六歳;八歳 ほか)
笑門来福―あとがきにかえて
著者等紹介
久田樹生[ヒサダタツキ]
1972年九州生まれ。超‐1/2006年大会一位入賞。2007年『「超」怖い話怪歴』で衝撃の単著デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみきーにゃ
61
《購入》ちょっといい話を集めた怪談本。あとがきの笑う門には福来るのお話しがいい。最後の連作も印象に残る。2017/05/22
HANA
6
怪異に関わるちょっといい話を集めたらしい。そのせいか陰惨な読後は少なく感じられる。のは真ん中部分だけ。最初の章は一人の男の転落を、最後は一人の女の薄幸な一生を描いており、怪異よりそちらの方が陰惨。2010/04/29
☆kubo
5
因果関係にはあまり触れられてなくて、怪現象そのもの集めたという印象。アンタッチャブルがなんかゾッとした。通り魔的なモノって防ぎようがない感じで怖い。2012/09/21
arisaka
5
いつもと趣向を変えて、ちょっといい話。だから、タイトルにも“福”をつけた……ということらしいけど、嘘つき……今回は大作はなく、ちょっとぞっとする話が中心という感じ。ラストの連作は、普通に気のせいじゃ?と思ってしまいました。怖いかなあ?2011/11/18
きら
5
著者曰く、「ちょっといい話」を中心にまとめた実録怪談集。確かに、「ちょっといい話」が多かったものの、収録作の大半がそうだというわけではなく、普通に忌まわしい系の話も多数収録されていて、なんとなく中途半端な印象。まあ、個人的には怪談に「ちょっといい話」なんて求めていないんだけど。アクセント程度に、一冊に1~2編入ってれば十分すぎるぐらいだ。収録作のほとんどが読み流すレベルで全体的にイマイチだった。良かったのは『アンタッチャブル』ぐらい。2010/08/24
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- 和書
- 恐怖箱風怨 竹書房文庫