内容説明
第1集に引き続き2003年から2008年までの同シリーズから今もなお腐敗し悪臭を放ち肉汁がたれている“ガチ怖”を怪談ジャンキーのあなたにお届けします。59話と新作書き下ろし3話も収録。
目次
雨だれの部屋
林檎
移動
かりんと猫
ネックレス
厭な店
板女
グランドスラム
予約席
ブランド
マッサージ
キャンプ二題
夜風呂
後悔
約束
マングローブの畔で
踏切がなくなって
箸
植物園
臭くて柔らかいもの
生熊
とばっちり
心のこり
傀儡
廃苑
刀
とっくり
邂逅
T.S
豚
指の日
霧
糸穴
電柱
洗髪台
飴鬼灯
故障
天の川
ひきぬきにくいくび
着歴
土いじり
洗濯機
廃社
泥竹
ひんまがり
鼠撒き
どんでん
シャボン玉
訪問
禁忌
踏切
ネット予約
歯噛み
こつこつ、ずるずる
性根
サブちゃん
地下で声
雑草鬼
ぷりきゅら
あおる
布団
トンネル
著者等紹介
平山夢明[ヒラヤマユメアキ]
神奈川生まれ。コンビニ店長、自販機の営業など様々な職歴の後、映画の批評、来日俳優のインタビュアーなどを経て『異常快楽殺人』(角川書店)でデビュー。2006年『独白するユニバーサル横メルカトル』(光文社文庫『魔地図』収録)で第59回日本推理作家協会賞短編部門を受賞、同タイトルを冠した初の短編小説集が「このミステリーがすごい!」一位に選ばれた。また「DINER(ダイナー)」(ポプラ社刊)が2010年第28回冒険小説大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
137
まあ、まあ面白かった。やはり怪談は、ホラーと違って因縁噺を盛り込んだほうが、噺に奥行きができて深みが増す。これは個人的な見解ですが、本作のほうが新・耳袋シリーズよりクオリティーが高い気がします(木原浩勝先生&中山市朗先生、ゴメンナサイ!)。ただ、すべての因果関係が明かされてしまうのは、興ざめというもの。いくばくかの謎を残し、適度に明かされるのがベストだと思う。しかし、この適度というのが難しい。少なすぎても、多すぎても適度にはならない。そのさじ加減が作家の力量というものだろう。2015/11/09
田中
25
冒頭の「雨だれの部屋」は、髪の毛が抜けてしまったのが怖い。霊障だろう。武者の怨魂は強すぎる。旅館でこんな目に遭うのは気の毒だ。「生熊」は、凄い相貌をした山の怪が不気味だ。女人禁制の日に登山すると何か起こるのか?「洗髪台」は、グラビアアイドルに取り憑いた赤ちゃんの怨霊だ。店内の照明が落ちるのが怖い。実際に霊魂がくると電飾がショートすることはある。僕も一度だけ経験したことがあるので背筋がゾッとした。 多種多様な実話心霊集である。体験度に軽重はあるが一気に読んでしまった。【日本の夏は、やっぱり怪談 其の三】 2021/08/31
hannahhannah
20
ギリシャ文字シリーズの平山夢明の執筆分のベスト版第二弾。新作書き下ろしの「雨だれの部屋」と「林檎」と「移動」の3話と選出された59話を収録。平山さん名物のグロテスクな姿をした幽霊が出てくる話も多いが、悲しく切ない「シャボン玉」や、美しく幻想的な「天の川」、温かな「サブちゃん」、良い話である「トンネル」などヴァラエティ豊かな構成になっている。ハルクみたいな全身緑色の大男が出てくる「雑草鬼」も収録。個人的にお気に入りの「地下で声」もセレクトされていた。福澤徹三の忌談シリーズに出てきても違和感は全くない内容だ。2017/05/27
☆kubo
11
ベストセレクションだけあってお腹いっぱい。平山さんならではのアグレッシブでグロい系のお化けが多い印象。2019/09/04
HANA
9
イヤ感漂う実話怪談集。やはりこの作者は凡百の実話怪談と違う筆力があるなあ。ナマナマしさがとても嫌で素敵。2010/04/30