感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田中
24
「オープンハウス」や「おりん」は死者の恨みが現れた現象のように思う。特に「おりん」は、学校のいじめで亡くなった魂が、しらを切る加害グループに懺悔させるのだ。虐めた者は許されるはずがないし、逃げ切れないのだろう。「ダル憑き」はある山道で起こる異常な怪異。その正体が魔物なのか何なのか判然としない不可解さがあった。「海豚」は怖いというよりも薄気味の悪い海の話だ。体験談が沢山収められているが、中盤以降に収録されたものに興味をそそられる。【日本の夏は、やっぱり怪談 其の三】 2021/08/14
hannahhannah
18
超怖い話のギリシャ文字シリーズの平山夢明の執筆分のベスト版。書き下ろしの「穴ふたつ」と「途中」と「轢き逃げ」の3つと選出された44話を収録。長めの話が多い。「うずらの卵」と「タラコ」、「首団子」と「海豚」と「きりん」、「塚崩し」、「殲滅」は平山さんならではのグロテスクな描写が秀逸。ラストは悲しい話だけど、救いを感じさせる「上へ上へ」で少しホッとする。あとがきは樋口昭雄。今シリーズ二代目編著者で、コンヴィニエンス・ストアの店長として夜勤をしていた平山さんから怖い話を聞いて、彼を書き手としてスカウトした人だ。2017/05/23
ホレイシア
17
出先での仕事が多い今月、細切れに入る休憩時間に読むのにもってこいだと思って買ったのだが、まあ当たりかな。「暗い女」なんぞ、たった2ページなのにゾッとする。実は個人的に妙なものを食べる系の話を怖いと感じるのだが、そういうものもたっぷり入っている。人間の「狂気」に興味があるという作者ならではの作品集。声、臭い、ミイラ、色、記憶・・・あなたが「怖い」と思うものもきっと入っている。2009/06/11
ゆう
11
図書館。わりと怖いよりえぐい。やはりこの作者さんのはどちらかというとエグい系なのか。なんこか、ほかので見たこともあったけど、呪いうつしのがやはりこわかった。2019/04/07
arisaka
9
さすが、タイトルに「死臭」とつけるだけあって、グロ系の話多し。怪談は語り口だと再確認させてくれる本。ふとした瞬間に思い出して、ゾッとする感じ。2011/07/19