
紀伊國屋書店は今年で創業86年を迎えました。昭和2年、新宿の一角に2階建38坪の小さな本屋として誕生して以来、文化の発信基地として社会に貢献することを使命として、多くの読者・お客様に支えられながら社業を続けてまいりました。ここに厚く御礼申し上げます。
紀伊國屋書店の歩みは、「書店」の限りない可能性への挑戦であったと言えます。創業者である田辺茂一と彼を支えた人々の、文化発信に対する一途な情熱が、劇場と「紀伊國屋演劇賞」の創設、出版事業、新宿本店や梅田本店などの大型店舗の開設、米国サンフランシスコを始めとした海外への出店など、<型破り>な新しい書店の姿を出現させました。
その情熱とチャレンジャー精神の遺伝子は、当社の中に今日までも脈々と受け継がれています。
大学や研究機関に内外の学術情報をお届けし多面的にサポートする外商事業の展開、日本で嚆矢となったインターネット書店の開設や、IT技術を駆使したさまざまな情報サービス、ポイントカードの導入など、紀伊國屋書店はつねに新たな書店の可能性を切りひらきながら、文化・芸術・学問の流通と普及の一端を担い続けてまいりました。
本と読者が出会う最高の場をご提供すること----それこそが紀伊國屋書店の「可能性の中心」であり、ひいては社会の平和な発展の「可能性の中心」でもあると、私たちは信じます。
情報の電子化が進んでも、その中心はいささかも揺るがず、むしろますます重要なものとなって来ました。電子書籍の世界でも、書店と書店人の果たすべき大きな役割があると考え、2011年には本格的に電子書籍事業へと乗り出し、現在、電子書籍サービスKinoppyとして多くのお客様からご支持を受けております。
これからも紀伊國屋書店は、人々の知的活動が生み出す新たな価値の地平を見据えながら、時代にふさわしい文化・情報の発信基地としての役割を果たしてまいります。今後とも、あたたかいご指導ご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
平成25年7月1日
株式会社紀伊國屋書店
代表取締役社長 高井昌史




