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じんぶんや
四十

宇野邦一

映像身体論


●映像論/身体論を考える本


ランボー全詩集 ランボー全詩集

アルチュール・ランボー【著】、宇佐美 斉【訳】
筑摩書房(1996-03-21出版)
ISBN:9784480031648
1,155円(税込)

「若気のいたり」で読む本などと、かんちがいしないでほしい。イメージと身体に関するまったく先駆的な鋭い問題提起が、ランボーの散文詩や書簡には含まれている。私はまず『イルミナシオン』によって身体の問題に目覚めた。

ディクテ―韓国系アメリカ人女性アーティストによる自伝的エクリチュール ディクテ―韓国系アメリカ人女性アーティストによる自伝的エクリチュール

テレサ・ハッキョン・チャ【著】、池内靖子【訳】
青土社(2003-06-09出版)
ISBN:9784791760435
2,310円(税込)

彼女のこの実験的作品は、小さな本の中に信じがたいほどの重層を含ませている。韓国の歴史、記憶と痛み、石に刻まれる文字、イメージと声の分裂そして和解。記憶の襞をさぐりながら、知覚を分解し、徐々に未生の次元に移っていくような美しい試みだ。

社会の喪失―現代日本をめぐる対話 社会の喪失―現代日本をめぐる対話

市村弘正、杉田 敦【著】
中央公論新社(2005-09-25出版)
ISBN:9784121018144
819円(税込)

市村弘正のドキュメンタリー論を再録し、政治学者杉田敦との対話をつけくわえた本。ドキュメンタリー映画を解読していく市村の、「多方向で不確定な諸要素を含む事件の展開」にそそがれる注意力を貴重と思う。

つぶやきの政治思想―求められるまなざし・かなしみへの、そして秘められたものへの つぶやきの政治思想―求められるまなざし・かなしみへの、そして秘められたものへの

李 静和【著】
青土社(1998-12-24出版)
ISBN:9784791756841
1,680円(税込)

政治思想に対して、新しい文体と問題を投じた本。俯瞰的に社会をながめることを拒否しながら、政治と歴史における身体を発掘する試みが、日本語そのものを海峡に漂わせるような文体とともに達成された。

画像はありません 伴侶

サミュエル・ベケット【著】、宇野邦一【訳】
書肆山田(1990-04出版)
ISBN:9784879952073
2,100円(税込)

ベケット晩年の双璧といえる傑作で、彼の名高い演劇作品の延長線上にあって独自の探求を究めながら、新しい次元を開いている。とりわけ声、イメージ、言葉、身体のつながりをつぶさに分離することによって、演劇空間をゼロから考えなおさせる。

音の静寂 静寂の音 音の静寂 静寂の音

高橋悠治【著】
平凡社(2004-11-15出版)
ISBN:9784582832471
2,520円(税込)

近年の演奏活動の、なかなかクセのある「優しい」印象にだまされてはいけない。高橋悠治はあいかわらず挑発的である。音楽の歴史、建築、権威に対する攻撃的抵抗を続けている。音楽がなぜ身体の問題であるのかも語り続けている。

プロセス―太田省吾演劇論集 プロセス―太田省吾演劇論集

太田省吾【著】
而立書房(2006-11-25出版)
ISBN:9784880593234
3,150円(税込)

転形劇場はもう二度と見られないが、ただなつかしがっていてはいられない。70年代の太田が、言語と身体のあいだの葛藤を考えぬいて、沈黙劇を構想した過程は、これからも演劇的実践や身体論の課題であるにちがいない。

中井正一評論集 中井正一評論集

中井正一、長田 弘【編】
岩波書店(1995-06出版)
ISBN:9784003319819
903円(税込)

映像の「深淵」について考えた中井の文章は、いまなお新鮮である。彼の思考の未来派的な<いきおい>は、あの時代の哲学者にあまり見られなかった、いまでも見られない輝きをもつ。

土方巽全集 普及版 『土方巽全集 普及版』
第1巻〉〈第2巻

土方 巽【著】
河出書房新社(2005-08-30出版)
ISBN:9784309268446、9784309268453
各2,940円(税込)

土方巽に出会い、死後も、その言葉を読み続けたことは、いまでも私の思考の源泉になっている。特に『病める舞姫』という分類不可能な書物は、読み返すたびに、ぎっしり折りたたまれていた意味が、少しずつ開けてくる。20年たって、ようやく読めてくる言葉もある。

絵画以前の問いから―ファン・ゴッホ 絵画以前の問いから―ファン・ゴッホ

矢野静明【著】
書肆山田(2004-12出版)
ISBN:9784879956293
2,625円(税込)

映像ではなく絵画に関する本をあえてあげるのは、私の映像論はいつも、背後に絵画の問題をおいて進んでいたからである。画家でもある矢野のアプローチは、ゴッホの生き方をじかに絵画のあり方に結びつけている。それはまさに<絵画以前>を思考するために選ばれた方法であった。

アルベルト・ジャコメッティのアトリエ アルベルト・ジャコメッティのアトリエ

ジャン・ジュネ【著】、鵜飼 哲【編訳】
現代企画室(1999-10-25出版)
ISBN:9784773899122
2,625円(税込)

ジュネの最後の本『恋する虜』とともに、いつも立ち返っていくテクストで、絵画論をつきぬけて、イメージの生を書きとめた、類まれな本である。

“単なる生”の哲学―生の思想のゆくえ “単なる生”の哲学―生の思想のゆくえ

宇野邦一【著】
平凡社(2005-01-24出版)
ISBN:9784582702552
2,100円(税込)

<生政治学>の問題を、生物学、ニーチェ、権力論、芸術論の交点にあるものとして素描した本である。フーコー、アガンベンの生政治学と、ドゥルーズの生の哲学はどこで結び合い、すれちがうのか、考えてみた。この本はもう少し多くの人に読んでほしいと思っている。

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