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いまだ継続する不正義と差別に抗して,アイヌの人々は何を問い,行動してきたのか.五人の当事者へのインタビューから現代アイヌの〈まなざし〉を辿ると共に,アイヌの声を奪い,語りを占有し続ける日本人のあり方を問う.
序 章 まなざされるアイヌとまなざし返すアイヌ
第1部 遺骨返還運動とアイヌ近代史
第1章 先人の尊厳と未来の教育――遺骨返還運動にたずさわる木村二三夫さん
第2章 アイヌ文化を伝えられてこなかったことに誇りを持っている――親族の遺骨を探索するBさん
第3章 幽閉されるアイヌと遺骨
第2部 インターセクショナリティ
第4章 アイヌ女性と複合差別――ヘイトスピーチと闘う多原良子さん
第5章 先住民フェミニズム批評――Aint I a Woman? /「私」は女ではないの?
第3部 アイヌと外部を行き来する
第6章 羽をパタパタさせればいい――アイヌ近現代史研究者である新井かおりさん
第7章 家出少年は傍らに神話を持つ――美術家結城幸司さん
第8章 思想的消費とまなざしの暴力
終 章 まなざしの転換
あとがき 交差する場所をひらく
謝 辞
著者情報
石原真衣[イシハラマイ]
1982年北海道サッポロ市生まれ。アイヌと琴似屯田兵(会津藩)のマルチレイシャル。北海道大学アイヌ・先住民研究センター准教授。文化人類学、先住民フェミニズム。著書に『“沈黙”の自伝的民族誌(オートエスノグラフィー)』(北海道大学出版会2020、大平正芳記念賞)、編著書など
村上靖彦[ムラカミヤスヒコ]
1970年東京都生まれ。大阪大学人間科学研究科教授・感染症総合教育研究拠点(CiDER)兼任教員。現象学。著書に『摘便とお花見』(医学書院2013、日本学術振興会賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)