角川ソフィア文庫

最終講義 学究の極み

小泉八雲鈴木大拙宇野弘蔵大塚久雄中村元土居健郎

KADOKAWA

発売:2024/05/24

発行形態:書籍

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商品詳細

日本の知の礎を築いたのは、飽くなき探求心を持ちつづけた学者たちだった。土居健郎は言う、「まず「わかる」とはどういうことかということをわかる必要があるでしょう」。禅の本質を説く鈴木大拙、インド思想史に人類史的な普遍性を見た中村元、心理療法の目的を自身の物語の発見に見いだした河合隼雄、人間と自然の関係の変化が歴史学に課題をもたらしたと指摘する網野善彦……。日本を代表する「知の巨人」たち、その学問の総決算ともいえる最終講義を精選したアンソロジー。「学究の極み」篇では、日本の知の礎を築いた学者たちが生涯をかけて追究した研究テーマ、その集大成を披露した講義を収録。冒頭に各講義の要約を付し、難解な講義も概要をつかみやすくした。推薦・若松英輔

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著者情報

小泉八雲[コイズミヤクモ]
作家、民俗学者。本名ラフカディオ・ハーン(Lafcadio Hearn)。1850年イギリス保護領レフガタ島(現ギリシャ)生まれ。世界各地を転々としたのち、渡米してジャーナリストとして活躍。1890年(明治23)に通信員として来日し、英語教師として日本で教鞭を執り始める。以降、松江、熊本、東京などの日本各地で英語教育に尽力、欧米に日本文化を紹介する著作を多数著した。1896年(明治29)より東京帝国大学文科大学の英文学講師に就任、日本に帰化し「小泉八雲」と名乗る。英語や英文学を講じながら民俗・文化研究にも邁進し、日本人の内面や日本文化の本質を明らかにする作品を描き続けた。1904年(明治37)没

鈴木大拙[スズキダイセツ]
仏教哲学者。1870年(明治3)石川県金沢市生まれ。本名、貞太郎。東京帝国大学在学中、鎌倉円覚寺の今北洪川、釈宗演に参禅し、大拙の道号を受ける。97年渡米、イリノイ州オープン・コート出版社の一員となる。滞在中の1900年『大乗起信論』を英訳して学会の注目を集め、07年『大乗仏教概論』を英文出版。帰国後、東京帝国大学、学習院大学、真宗大谷大学で教鞭を執る。45年鎌倉に「松ヶ岡文庫」を設立。49年6月より一〇年間渡米。コロンビア大学など欧米の各大学で仏教や禅思想を講じるほか、日本文・英文の膨大な著書や論文を残し、禅を「ZEN」として世界に広める大きな功績を残した。66年(昭和41)没

宇野弘蔵[ウノコウゾウ]
マルクス経済学者。1897年(明治30)、岡山県倉敷市生まれ。1921年、東京帝国大学経済学部卒業。マルクスの『資本論』を批判的に読み込み、その理論とイデオロギーとを分離。客観的法則に基づく科学的方法を導入し、経済学の研究を「原理論」「段階論」「現状分析」の三段階に分けて体系化する方法(宇野理論)を提唱。その独自の経済学体系は「宇野学派」の基礎となり、国内外の経済学界に大きな影響を与えた。東北帝国大学助教授、東京大学社会学科研究所教授、法政大学教授等を歴任。77年(昭和52)没

大塚久雄[オオツカヒサオ]
経済史学者。1907年(明治40)京都府生まれ。東京帝国大学経済学部卒業。在学中、内村鑑三に師事して無教会派のキリスト者となる。マックス・ウェーバー社会学とマルクス経済学から大きな方法的影響を受けつつ、近代資本主義の形成過程を研究。両者を総合した独自の理論を構築し、その学説は「大塚史学」と称されるほど、日本の経済史研究や社会科学に多大な影響を与えた。法政大学教授、東京大学教授、国際基督教大学教授等を歴任。70年朝日賞受賞。92年文化勲章受章。日本学士院会員。96年(平成8)没

中村元[ナカムラハジメ]
仏教学者、インド哲学者。1912年(大正元)島根県生まれ。東京帝国大学文学部印度哲学梵文学科卒業。同大学大学院博士課程修了。サンスクリット、パーリ、チベットほか多数の言語に精通。卓越した研究に基づいて東西の思想哲学を俯瞰し、普遍的思想史の構築に取り組んだ。54年より東京大学教授。73年退官後、東洋思想の研究機関「東方学院」を創立し院長となる。また比較思想学会会長(初代)、日本学士院会員等を歴任。74年紫綬褒章、77年文化勲章受章。同年文化功労者顕彰。84年勲一等瑞宝章受章。99年(平成11)没

土居健郎[ドイタケオ]
精神医学者。一九二〇(大正九)東京生まれ。東京帝国大学医学部卒業。精神医学の臨床家また教育者として、精神病理学、精神分析研究の水準を飛躍的に高めることに貢献した。五〇年アメリカ合衆国メニンガー精神医学校へ留学。帰国後、聖路加国際病院精神科医長、東京大学医学部教授、国際基督教大学教授、国立精神衛生研究所所長等を歴任。二〇〇九年(平成ニ一)没

鶴見和子[ツルミカズコ]
社会学者(比較社会学)。一九一八年(大正七)東京生まれ。三九年津田英学塾(現・津田塾大学)卒業。四一年ヴァッサー大学哲学修士号、六六年プリンストン大学社会学博士号を取得。上智大学外国語学部教授、同大学国際関係研究所所長を歴任。九五年南方熊楠賞、九九年度朝日賞受賞。二〇〇六年(平成一八)没

河合隼雄[カワイハヤオ]
臨床心理学者。一九二八年(昭和三)兵庫県篠山市生まれ。五二年京都大学理学部卒業。アメリカ留学を経て、スイスのユング研究所で日本人として初めてユング派分析家の資格を取得。京都大学教授、国際日本文化研究センター所長、文化庁長官等を歴任。九五年紫綬褒章受章。九六年日本放送協会放送文化賞、九七年度朝日賞を受賞。二〇〇〇年文化功労者顕彰。〇七年(平成一九)没

多田富雄[タダトミオ]
免疫学者。一九三四(昭和九)茨城県生まれ。千葉大学医学部卒業。七一年に免疫反応を抑制する「サプレッサーT細胞」を発見し、世界の免疫学界に大きな影響を与えた。千葉大学医学部教授、東京大学医学部教授、国際免疫学会連合会長等を歴任。第二〇回野口英世記念医学賞、八一年度朝日賞受賞。八四年文化功労者顕彰。二〇〇九年瑞宝重光章受章。二〇〇一年脳梗塞に倒れ、右半身麻痺と仮性球麻痺の後遺症で構音障害、嚥下障害となる。一〇年(平成二二)没

網野善彦[アミノヨシヒコ]
歴史学者(日本海民史)。一九二八年(昭和三)山梨県生まれ。東京大学文学部卒業。文献史学を基礎として、従来の歴史学が軽視してきた中世の職人、海民、芸能民などの非農業民世界を研究。日本常民文化研究所員、東京都立北園高校教諭、名古屋大学文学部助教授、神奈川大学短期大学部教授、同大学経済学部特任教授等を歴任。二〇〇四年(平成一六)没

阿部謹也[アベキンヤ]
西洋史学者。一九三五年(昭和一〇)東京生まれ。一橋大学経済学部卒業。同大学大学院社会学研究科博士課程修了。小樽商科大学教授、東京経済大学教授、一橋大学教授、同大学学長、国立大学協会会長、共立女子大学学長等を歴任。九七年紫綬褒章受章。二〇〇六年(平成一八)没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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