商品詳細散歩を愛し、猫と一緒に暮らす詩人ハン・ジョンウォンが綴るエッセイ
雪の降る日や澄んだ明け方に、ひとり静かに読みたい珠玉の25編
オクタビオ・パス、フェルナンド・ペソア、ローベルト・ヴァルザー、シモーヌ・ヴェイユ、パウル・ツェラン、エミリー・ディキンソン、ライナー・マリア・リルケ、シルヴィア・プラス、金子みすゞ、ボルヘス……
著者のハン・ジョンウォンがひとり詩を読み、ひとり散歩にでかけ、日々の生活の中で感じたことを記している、澄みきった水晶のようなエッセイ集。読者は、彼女の愛した詩人たちとともに、彼女が時折口ずさむ詩とともに、ゆっくりと散歩に出かける。
【出版社:書肆侃侃房】
【著者】
ハン・ジョンウォン
大学で詩と映画を学んだ。
修道者としての人生を歩みたかったが叶わず、今は老いた猫と静かに暮らしている。
エッセイ集『詩と散策』と詩集『愛する少年が氷の下で暮らしているから』(近刊)を書き、いくつかの絵本と詩集を翻訳した。
橋本智保
1972年生まれ。東京外国語大学朝鮮語科を経て、ソウル大学国語国文学科修士課程修了。
訳書に、キム・ヨンス『夜は歌う』『ぼくは幽霊作家です』(新泉社)、チョン・イヒョン『きみは知らない』(同)、ソン・ホンギュ『イスラーム精肉店』(同)、ウン・ヒギョン『鳥のおくりもの』(段々社)、クォン・ヨソン『レモン』(河出書房新社)『春の宵』(書肆侃侃房)、チェ・ウンミ『第九の波』(同)ユン・ソンヒほか『私のおばあちゃんへ』(同)など多数。
宇宙よりもっと大きな
寒い季節の始まりを信じてみよう
散歩が詩になるとき
幸福を信じますか?
11月のフーガ
悲しみ、咳をする存在
果物がまるいのは
夏に似た愛
心のかぎりを尽くして来たから
永遠のなかの一日
海から海のあいだに
なにも知りません
よく歩き、よく転びます
国境を越えること
みんなきれいなのに、わたしだけカンガルー
ひと晩のうちにも冬はやってくる
夢とおなじ材料でできている
夕暮れただけ
窓が一つあれば十分
灰色の力
真実はゆっくりとまぶしくなければ
猫は花の中に
いくつかの丘と、一点の雲
今日はわたしに、明日はあなたに
彼女の歩く姿は美しい(送らない手紙)
日本の読者のみなさんへ
訳者あとがき
著者情報ハンジョンウォン[ハンジョンウォン]
大学で詩と映画を学んだ。修道者としての人生を歩みたかったが叶わず、今は老いた猫と静かに暮らしている
橋本智保[ハシモトチホ]
1972年生まれ。東京外国語大学朝鮮語科を経て、ソウル大学国語国文学科修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)