商品詳細中高年が主人公のショートストーリー集。
――私の見てきた商売の裏側を、洗い浚い書いちゃおうと思うの。今お偉いさんになっている連中が、実名で、ばんばん出てくるのよ。みんな、青くなるな、きっと……――
夜の店のママが、客の行状を洗いざらいぶちまける回顧録を書いていると聞いて、やましいところのある元常連たちが“対策協議会”を開く「近火御見舞」をはじめ、妻の浮気が原因で別れたのに、浮気相手に捨てられると元夫に秋波を送る女性に振り回される「あとの祭」、社員からも恐れられ、“財界の狼”と異名をとる男が、ひょんなことから海辺の町の女性と出会い、心癒される「狼男」など、中高年男性を主人公にした17のショートストーリー。
P+D BOOKS『曲がり角』に続く、味わい深い短篇集。
著者情報神吉拓郎[カンキタクロウ]
1928(昭和3)年9月11日‐1994(平成6)年6月28日、享年65。東京都出身。1983年『私生活』で第90回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)