岩波新書

ケアの倫理 ― フェミニズムの政治思想

岡野八代

岩波書店

発売:2024/01/25

発行形態:書籍

ファイル:EPUBリフロー形式/1.1MB

ポイント:12pt

¥1,364( 本体 ¥1,240 )

商品詳細

身体性に結び付けられた「女らしさ」ゆえにケアを担わされてきた女性たちは,自身の経験を語る言葉を奪われ,言葉を発したとしても傾聴に値しないお喋りとして扱われてきた.男性の論理で構築された社会のなかで,女性たちが自らの言葉で,自らの経験から編み出したフェミニズムの政治思想,ケアの倫理を第一人者が詳説する

序 章 ケアの必要に溢れる社会で
第1章 ケアの倫理の原点へ
1 第二波フェミニズム運動の前史
2 第二波フェミニズムの二つの流れ――リベラルかラディカルか
3 家父長制の再発見と公私二元論批判
4 家父長制批判に対する反論
5 マルクス主義との対決
第2章 ケアの倫理とは何か――『もうひとつの声で』を読み直す
1 女性学の広がり
2 七〇年代のバックラッシュ
3 ギリガン『もうひとつの声で――心理学の理論とケアの倫理』を読む
第3章 ケアの倫理の確立――フェミニストたちの探求
1 『もうひとつの声で』はいかに読まれたのか
2 ケアの倫理研究へ
3 ケア「対」正義なのか?
第4章 ケアをするのは誰か――新しい人間像・社会観の模索
1 オルタナティヴな正義論/道徳理論へ
2 ケアとは何をすることなのか?――母性主義からの解放
3 性的家族からの解放
第5章 誰も取り残されない社会へ――ケアから始めるオルタナティヴな政治思想
1 新しい人間・社会・世界――依存と脆弱性/傷つけられやすさから始める倫理と政治
2 ケアする民主主義――自己責任論との対決
3 ケアする平和論――安全保障論との対決
4 気候正義とケア――生産中心主義との対決
終 章 コロナ・パンデミックの後を生きる――ケアから始める民主主義
1 コロナ・パンデミックという経験から――つながりあうケア
2 ケアに満ちた民主主義へ――〈わたしたち〉への呼びかけ
あとがき
参考文献

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著者情報

岡野八代[オカノヤヨ]
1967年三重県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。博士(政治学)。現在、同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授。専攻、政治思想、フェミニズム理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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