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フグ毒からサリンまで、この世は毒物で一杯だ!―― 人はなぜ、古今東西、毒物に魅入られるのか? さらに、人はなぜ微量の毒で死ぬのか? 迫りくる毒社会の恐怖を、事件、事故、戦争などを通して分かりやすく解説。
●毒の怖さは、ごく微量でも人を殺せるところにある。毒はごく微量で、生体のメカニズムの微妙で微細なところに作用して、大きな生命体を殺してしまう。猛毒と呼ばれるものは、やはり不思議な存在である。毒による殺人事件を見ていくと、殺人者はそんな毒の不思議な魔力に、とりつかれてしまった者のように見える。この本では、古くからの毒、新しいタイプの毒、さまざまな毒物の毒性を紹介し、その作用のメカニズムをみていく。またそれとともに、科学者、企業人、医者、宗教信者、毒物事件の加害者・被害者など、さまざまな人々が登場する。毒をこの世から一掃することはできないが、私たちはその本質を知ることはできる。知ることは、「毒はもう怖くない」といえるようになるための入り口に立つことである。
第1章 この世は毒に満ちている
第2章 毒は人のどこを襲うのか
第3章 毒に踊らされた人々
第4章 毒ガスの系譜――オウム、ナチス、日本軍
第5章 となりの工場から毒ガスが噴き出した
第6章 薬が毒となって人を殺す
第7章 食品にまぎれ込んだ毒物
第8章 自然の毒ガス=火山ガスの恐怖
著者情報
常石敬一[ツネイシケイイチ]
1943年、東京都に生まれる。東京都立大学理学部を卒業。東京大学工学部助手を経て、1983年、長崎大学教授に。1989年より神奈川大学教授。専門分野は科学史、科学社会学、生物化学兵器軍縮。1981年に出版した『消えた細菌戦部隊』では、旧日本軍の細菌戦部隊である七三一部隊をテーマに、道徳的非難に偏りがちなこの問題を、確実な資料のみを駆使して、科学社会学の対象とすることに成功。1994年の松本サリン事件では、いちはやく毒物を「神経ガスのようなもの」と指摘、以来マスコミに毒物コメンテーターとして登場する機会が増えた