商品詳細
日本刀を鑑賞する上で、重要な見どころとなる「刃文」と「地鉄」。「地鉄」とは玉鋼を鍛錬することによって生じる「鍛え肌(地肌)」の紋様であり、「刃文」とは、刀工が焼き入れの際に意図的につくる焼刃の形状のこと。いずれも刀工の技と個性が現れた刀剣の魅力であるばかりでなく、美術品として日本刀の美しさのツボともいえるものです。
本書はこの「刃文」と「地鉄」を、実際の刀の精密な写真をふんだんに使って、様々な刃文の種類はもちろん、微妙な「映り」や「沸(にえ)」「匂い(におい)」と呼ばれる刃中の働きまで徹底的に理解できる一冊です。
●日本刀部位の名称
1章 名刀を見る
名刀鑑賞 狐ヶ崎/明石國行/姫鶴一文字/虎徹
2章 刀剣鑑賞の手順
刀姿を見る/重ね・棟・鎬を見る/地鉄を見る/映りを見る/刃文を見る/帽子を見る
3章 写真で学ぶ刀の種類
「地鉄」「刃文」「働き」「帽子」
4章 刀工・刀派の特徴
古刀編/新刀・新々刀編
本書に出てくる難解な刀剣用語
あとがきにかえて─私の愛刀歴
著者情報
松本啓之亮[マツモトケイノスケ]
1958年、神戸市生まれ。東京写真専門学校(現・東京ビジュアルアーツ)卒業。スタジオABIを経て、写真家・横須賀功光氏に師事、その後、独立。フォトファクトリー創設に参加、化粧品や管楽器など主にスチールライフの写真を手がける。高校時代より工芸品としての日本刀に興味を持ち、上京してから日本美術刀剣保存協会の会員となる。フォトグラファーとなってからは、同協会東京支部会員として活動に参加。様々な試行錯誤を経て、高精細な日本刀の撮影技術を確立。美術館や展覧会の図録の撮影を数多く手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)