商品詳細
西南戦争後の夜空に出現した西郷星、ペスト大流行と鼠供養の塚、團十郎人気と贋者たち、焼芋と明治文学、白秋「東京景物詩」にみる瓦斯燈の詩情、落書きのため借家を追われた青木繁、コックリさんと小波お伽噺。サーカス、野球、人力車、競馬、水族館、赤帽、バナナ、半熟玉子、軽気球、凌雲閣、新聞広告など、九十七の主題によって明治を語り、懐古した本書は、その静かな滋味あふれる語り口で、偉人文人たちの逸話を披露しつつ、事物の考証を通して市井生活のささやかな詩情にも光を当てる。
(※本書は2007/8/1に発売し、2022/05/17に電子化をいたしました)
著者情報
柴田宵曲[シバタショウキョク]
1897(明治30)年、東京市日本橋区の商家に生まれる。本名泰助。中学を中退後、上野図書館に通って独学で俳句、短歌、文章に精進。ホトトギス社に入社し編集に従事、寒川鼠骨に師事して『子規全集』編纂に尽力した。三田村鳶魚の著述にも協力。『蕉門の人々』『古句を観る』など、俳句に関する著作は高く評価された。晩年、書肆の求めに応じて『明治の話題』(ちくま学芸文庫)、『妖異博物館』正・続(ちくま文庫)などを著し、話題を呼んだ。1966(昭和41)年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)