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米国テキサス州は、他州と同期しない孤立系統の電力システム、全米でもユニークな電力市場をもち、電力完全自由化、風力発電のシェア20%を成し遂げています。そして容量市場を持たないにも関わらず、安定供給を維持し、全米でも安いレベルの電力価格を維持しています。
この本ではテキサス州独自の電力システム、電力市場の詳細を紹介します。そして、2019年夏に発生した価格高騰(価格スパイク)、2021年2月に発生した大寒波による大規模停電について詳細に分析します。また、テキサスの電力卸市場、電力システムの紹介と共に、その比較で今後の日本の電力市場のあり方について考えていきます。
はじめに
第1章 テキサスの電力情勢 ー独立と競争市場が生む低価格ー
第2章 米国の電力市場とERCOTの特徴
第3章 ERCOTのエネルギーオンリーシステム
第4章 ERCOTの市場プロセスと前日市場
第5章 2019年ERCOT市場の価格スパイク ー8年間待った発電事業者に慈雨ー
第6章 ERCOTの信頼度対策 ー予備力確保・混雑管理・RUCー
第7章 ERCOTの競争環境整備 ー外部評価と手法ー
第8章 2021年2月の停電を考える ーERCOTの本質は変わらないー
第9章 テキサスとの比較で日本を考える
終わりに ー市場機能の浸透なしに脱炭素は困難ー
参考文献
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