商品詳細必死で 情けなくて まぬけな 愛すべき「私たち」
ネット古書店でエゴサをしていたら、サイン入り自作が売りに出されていることに気づいた作家「イ・ギホ」。しかも他の作家の本より格安、酷評のコメン付きだった。悶々として眠れぬ作家は、出品者に直接会おうとはるばるでかけるのだが……。(「チェ・ミジンはどこへ」)
夫殺害の嫌疑をかけられながら逮捕されなかった女が、十数年後、時効を3か月後に控えて自首した。一体なぜなのか。(「ずっと前に、キム・スッキは」)
「あるべき正しい姿」と「現実の自分」のはざまで揺れながら生きる「ふつうの人々」を、ユーモアと限りない愛情とともに描き出す。――韓国文学の旗手による傑作短編集
【もくじ】
チェ・ミジンはどこへ
ナ・ジョンマン氏のちょっぴり下に曲がったブーム
クォン・スンチャンと善良な人々
私を嫌悪することになるパク・チャンスへ
ずっと前にキム・スッキは
誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ
ハン・ジョンヒと僕
あとがき
訳者解説
著者情報イギホ[イギホ]
1972年、江原道原州市生まれ、秋渓芸術大学文芸創作学科卒業、明知大学文芸創作学科大学院で博士課程を修了。1999年に短篇「バニー」が『現代文学』に当選してデビュー。2010年に李孝石文学賞、2014年に韓国日報文学賞、2017年には『誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ』に収録されている「ハン・ジョンヒと僕」で黄順元文学賞と名だたる文学賞を受賞。人間を見つめる優しい眼差しと卓越したユーモア感覚、多彩な「語り」の文体で注目を集め、2000年代を代表する新世代作家となる。現在は光州大学文芸創作科の教授を務めながら創作活動を行っている
齋藤真理子[サイトウマリコ]
1960年新潟生まれ。『カステラ』で第1回日本翻訳大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)