商品詳細
聖書のもつダイナミズムを解き放ち、人間の救済を志向する。
理性への信頼に基づく近代主義、あるいは人間中心主義を根底とした自由主義神学の内部から、それを打ち破るかのように登場したカール・バルト。神学を人間学へと解消する潮流に抗し、キリストと行動をともにした使徒によるドキュメントとして聖書をとらえ、神の言葉と啓示がもつ直接性の復活を果たす。使徒という存在に近代の超克を読みとり、来るべき人間として思想と文学の起点にすえる、画期的な長篇評論。
佐藤優
使徒は、人間を救済するという自覚を持つ人間だ。この救済は、個別具体的である。救済の一般理論は存在しない。(略)神の存在が生成において人間に理解されることに対応し、富岡氏の思想的営為も常に生成過程にある。イエス・キリストという名に徹底的に固執することによって、日本人の歴史物語、特に天皇と救済の関係について、いつか適切な言葉が見つかることを信じながら、富岡氏は評論活動を展開しているのだと私は見ている。――<「解説」より>
※本書は、講談社刊『使徒的人間――カール・バルト』(1999年5月)を底本として使用しました。
著者情報
富岡幸一郎[トミオカコウイチロウ]
1957・11・29~。文芸評論家。東京生まれ。大学在学中の1979年、「意識の暗室―埴谷雄高と三島由紀夫」で第22回群像新人文学賞評論優秀作を受賞、文芸評論家としてデビュー。83年、中央大学文学部フランス文学科卒業。86年、初の評論集『戦後文学のアルケオロジー』を刊行。現在、関東学院大学文学部比較文化学科教授、オピニオン誌『表現者』編集長。また2012年には鎌倉文学館館長に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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