講談社文芸文庫

狼の吐息/愛憎一念 藤澤清造 負の小説集

藤澤清造西村賢太

講談社

発売:2019/08/21

発行形態:書籍

ファイル:EPUBリフロー形式/2.4MB

ポイント:510pt

¥1,881( 本体 ¥1,710 )

夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)

商品詳細

蘇える木枯しの文士“どうで死ぬ身の一踊り”を実践し、自ら破滅へと向かった大正・昭和初期の私小説家。その生涯を賭した、不屈の「負」の結晶。藤澤清造生誕一三〇周年貧苦と怨嗟を戯作精神で彩った作品群から歿後弟子・西村賢太が精選し、校訂を施す。新発見原稿を併せ、不屈を貫いた私小説家の“負”の意地の真髄を照射する。芝公園で狂凍死するまでの、藤澤清造の創作活動は十年に及んだ。貧苦と怨嗟を戯作精神で彩ったその作品群から歿後弟子・西村賢太が十九篇を精選、校訂を施す。不遇作家の意地と矜恃のあわいの諦観を描く「狼の吐息」、内妻への暴力に至る過程が遣る瀬ない「愛憎一念」、新発見原稿「乳首を見る」、関東大震災直後の惨状のルポルタージュ等、不屈を貫いた私小説作家の“負”の真髄を照射する。西村賢太登場時すでにして古めかしいと評され、冷笑視されてもいたその文体だが、当然、小説が日記やレポートの類と違うのは、それが読者に読ませるものでなければならない点にある。その上では何んと云っても文体がモノを言ってくるわけだが、清造の場合、自らの古風、かつ独自の文体をより強固に支えるに戯作者の精神を持ってきた。そこが良くも悪くも、凡百の自然主義作品とは大きく異なるところである。「解説」より

(小説)
一夜
けた違いの事
秋風往来
刈入れ時
狼の吐息
母を殺す
愛憎一念
予定の狼狽
赤恥を買う
雪空
此処にも皮肉がある 或は「魂冷ゆる談話」
土産物の九官鳥
(新発見原稿)
乳首を見る
(戯曲)

愚劣な挿絵
(ルポルタージュ)
生地獄図抄
われ地獄図をめぐる
焦熱地獄をめぐる
めしいたる浅草
解説・年譜・著書目録

購入前の注意点

3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
・この書籍はKinoppy for iOS、Kinoppy for Android、Kinoppy for Windows または Kinoppy for Mac(いずれも最新版)でお読みください。
・電子書籍は会員サービス利用規約に則してご利用いただきます。
・海外会員様にはプレゼントを贈れません。

著者情報

藤澤清造[フジサワセイゾウ]
1889・10・28~1932・1・29。小説家。石川県鹿島郡(現・七尾市)生まれ。尋常高等小学校を卒業後に七尾町内で働き始めるが、程なくして右脚に骨髄炎を患い手術、自宅療養の期間を過ごす。役者を志して1906年に上京。足の後遺症で断念したのちは各種職業を変遷する。『演芸画報』誌訪問記者時代に、同誌等に劇評や随筆を発表。22年に長篇小説『根津権現裏』を三上於菟吉の尽力で書き下ろし刊行し、島崎藤村、田山花袋らの賞讃を得る。以降、精力的に創作を発表するも、作への不評が相次いで凋落。長年の悪所通いによる性病が因で精神に変調を来たし、内妻への暴力行為、彷徨しての警察への勾留等が続いた末に失踪。厳寒の芝公園内ベンチで凍死体となっているのを発見される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

この著者の他の商品・シリーズ

n
  • 根津権現前より 藤澤清造随筆集

  • 根津権現裏

  • 藤澤清造短篇集 一夜/刈入れ時/母を殺す 他