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土佐藩執政、父・野中兼山(良継)の失脚後、4歳にして一族とともに幽囚の身となった婉。男子の係累が死に絶えた40年後、赦免が訪れ、自由となったものの、そこで見たのは、再び政争の中で滅びてゆく愛する男の姿であった……。無慙な政治の中を哀しくも勁く生きた女を描き、野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞した名作「婉という女」に、関連作「正妻」「日陰の姉妹」の2篇を付し、完本とする。
著者情報
大原富枝[オオハラトミエ]
1912・9・28~2000・1・27。小説家。高知県生まれ、高知県女子師範学校中退。17歳の時、教室で喀血し、10年近い療養生活を送る。その間、投稿を続け、「文芸首都」同人となる。1938年、「祝出征」が芥川賞候補となり、41年、上京。病を抱え、生計のために働きつつ小説を書き続ける。57年、「ストマイつんぼ」で女流文学者賞。以後、話題作を発表。64歳の時、カトリックに入信
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