商品詳細
19世紀末フランスの夭折詩人ラフォルグ。象徴派が勃興する中、近代の倦怠を知的な抒情とした天才が遺した散文集『伝説的な道徳劇』は、若き日をヨーロッパで過ごした吉田健一にとって「前世か何かで自分が書いたことをそれまで忘れていた感じだった」と語らしめ、耽読して止まなかった魂の邂逅の書であった。同じく遺作の詩集『最後の詩』と共に名訳で贈る。
著者情報
ラフォルグ[ラフォルグ] [Laforgue,Jules]
1860・8・16~1887・8・20。フランスの詩人、象徴派に属し、自由詩の創始者のひとり。1876年からパリに暮らし、ブールジェら文学者と交流。81年からドイツで皇后の侍講を務める。85年、第一詩集『嘆きぶし』で注目され、同年『我が月の聖母に倣いて』を刊行。86年創刊の雑誌「ラ・ヴォーグ」などに詩や散文を発表。同年パリに戻る。翌87年、結核のため27歳で逝去。若き日のT・S・エリオットやエズラ・パウンドなどに影響を与えた
吉田健一[ヨシダケンイチ]
1912・3・27~1977・8・3。批評家・作家。東京都生まれ。ケンブリッジ大学中退。外交官の父吉田茂(後の首相)の任地に従って中国、フランス、イギリスで育つ。1931年、大学を退学して帰国。ポーやヴァレリーの翻訳から文学活動を開始し、39年、中村光夫らと同人誌「批評」を創刊。戦後は翻訳、評論、随筆と一挙に幅広い活動を始め、言葉による表現の重要性を唱えた。主な評論に『英国の文学』、小説に『瓦礫の中』など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
この著者の他の商品・シリーズ
n新装版 旨いものはうまい
言葉というもの
余生の文学
本が語ってくれること
知識ゼロからのコンテナ野菜栽培
汽車旅の酒
酒談義
舌鼓ところどころ/私の食物誌
わが人生処方
父のこと
赤い死の舞踏会 付・覚書(マルジナリア)