商品詳細
コンピュータ前史 ライプニッツからチューリングに至る数理論理学の系譜は,コンピュータの理論的バックボーンを形成しAIの登場までも予見している。代数の記号表現を通じて人間の思考の範囲すべてを包括するような記号体系の構築に献身したロジシャンたちの苦闘を,時代背景を取り込みながら解説する。さらに本書を構成する7人のロジシャンたちを,豊富なエピソードをもとにその人となりを描写する。 また,本文に取り込むと冗長になりすぎる数学的解説は,原註に取り込むことで半独立的な構成としている。 比較的平易に書かれているので,コンピュータロジックの成り立ちに関心のある高校生以上の読者や,人工知能のロジックの成り立ちに関心のある読者にも必携の書である。 (317文字)
第1章 ライプニッツの夢
第2章 論理を代数に変換したブール
第3章 フレーゲ:画期的達成から絶望へ
第4章 無限を巡り歩いたカントル
第5章 ヒルベルトの救済プログラム
第6章 ヒルベルトの計画を転覆させたゲーデル
第7章 汎用計算機を構想したチューリング
第8章 万能計算機の現実化
第9章 ライプニッツの夢を超えて
著者情報
デイヴィス,マーティン[デイヴィス,マーティン] [Davis,Martin]
1928年、ニューヨーク市生まれ。アロンゾ・チャーチのもとで博士号を取得、1950年代にはヒルベルトの第10問題に関する重要な部分的結果を得ている。1950年代後半には「チューリング機械の停止問題」を定式化、超準解析を解説した著書(難波完爾訳、培風館)もある。現在はニューヨーク大学名誉教授、カリフォルニア在住
沼田寛[ヌマタヒロシ]
1948年、滋賀県生まれ。京都大学理学部卒。出版社勤務、フリーのサイエンスライター等を経て、2000年より公立はこだて未来大学システム情報科学部講師。2014年に定年退職後は、おもに科学書の翻訳の仕事をしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)