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鳥羽・伏見の戦で「朝敵」の汚名をこうむったことで、天朝への恭順の意を固めた徳川最後の将軍・慶喜の代ににわかに幕府の全権を担い、誰一人理解者のいないまま江戸城無血開城、幕府消滅まで戦意を秘めつつ「鎮静」を貫き、見事火消し役を務めた勝海舟。新政府での立身を福沢諭吉に批判されながらも国家安寧を支え続けた、維新の陰の立役者の真の姿を描き出した渾身の力作評論。
著者情報
江藤淳[エトウジュン]
1932・12・25~1999・7・21。批評家。東京生まれ。1957年、慶應義塾大学卒業。大学在学中の56年、『夏目漱石』を刊行。偶像化されてきた漱石像をくつがえし、その後の漱石研究の方向を示す。62年から数度にわたりアメリカに滞在、『アメリカと私』を生むとともに、のちの「国家」への関心や敗戦・占領期研究の契機ともなった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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