商品詳細
日常から遠く隔たった土地の悠久の歴史を物語る遺構や人を寄せ付けない奥深い自然の中に身を置いた主人公が自らの経験を通じて「私」を超えていこうとする試みは、やがて若者や女性といった身近な他者の異質な感性に刺激されて一層深化した世界感覚によって変貌を遂げる。後に高い評価を受ける都市を舞台にした作品群の嚆矢となった表題作を始め、転形期のスリルに満ちた傑作短篇集。
地下都市
昼と夜の境に立つ樹
ワルキューレの光
渦 巻
29歳のよろい戸
天窓のあるガレージ
夕焼けの黒い鳥
【参考資料】文庫版あとがき
解説 鈴村和成
年譜
著書目録
著者情報
日野啓三[ヒノケイゾウ]
1929・6・14~2002・10・14。小説家。東京生まれ。小中学時代を植民地・朝鮮で過ごす。1952年、東大卒。大学在学中から文芸評論を書き始め、新聞社入社後はソウル、ベトナム特派員を務める。66年、はじめての著書『ベトナム報道』、小説「向う側」を発表。主な作品に「此岸の家」(平林たい子文学賞)、「あの夕陽」(芥川賞)、『抱擁』(泉鏡花文学賞)、『砂丘が動くように』(谷崎潤一郎賞)、『夢の島』(芸術選奨文部大臣賞)、『断崖の年』(伊藤整文学賞)、『台風の眼』(野間文芸賞)、『光』(読売文学賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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あの夕陽
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