商品詳細
太宰治をして「この荒れ果てた竹藪の中にはかぐや姫がいる」と言わしめた「空吹く風」、戦後の混乱の中で春をひさぐ女たちに真実の愛を夢想する「暗黒天使と小悪魔」、運命の女との愛欲の果てに傷害事件に至る顛末を描いた「愛と憎しみの傷に」。共産党の活動など生きる意味への絶望ゆえか女に溺れ、薬と酒で破滅へと突き進んでいく自らの姿を見据え、人間の本性を浮き彫りにする小説集。
急行列車
空吹く風
曙町
流されるもの
暗黒天使と小悪魔
野狐
愛と憎しみの傷に
聖ヤクザ
解説 道籏泰三
年譜 道籏泰三
著書目録 道籏泰三
著者情報
田中英光[タナカヒデミツ]
1913・1・10~1949・11・3。小説家。東京生まれ。早稲田大学時代にボート選手としてロサンゼルス・オリンピックに出場。帰国後間もなく、兄の影響で共産党の非合法活動に従事するも、党不信のため身を引く。大学を卒業して就職し、日本統治下にあった京城の朝鮮出張所に赴任、その他を舞台に書かれた「空吹く風」で太宰治の知遇を得る。約八年の駐在中に二度の召集を経験し、朝鮮文人協会の常任幹事となる。戦後は合法化された共産党に入党し地区委員長を務めるも、党を批判する作品群を発表して非難され、離党(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)