商品詳細
クルルはある青年貴族の身代わりとなってリスボンに向かう。車中、古生物学者のクックック教授と同席し、地球の生命と宇宙の生成について講義を受ける。クルルは深い感銘を覚えるが、一方で教授の娘にも魅了され……。稀代の詐欺師クルルの身に、予想外の展開が! 読み始めたら止まらない小説の面白さがここにある。意図的に古めかしい饒舌な文体を活かした、超絶技巧の新訳!
著者情報
マン,トーマス[マン,トーマス][Mann,Thomas]
1875‐1955。リューベックの富裕な商家に生まれ、生家の繁栄と衰退を題材に『ブデンブローク家の人々』を執筆、世に出る。第二次大戦中はアメリカに亡命、戦後アメリカに起こった反共の気運を嫌ってスイスに移住。半世紀を超える執筆活動の中でドイツとヨーロッパの運命を深く考察し、過去の文学遺産を幾重にも織り込んだ独自の物語の世界を展開した。1929年、ノーベル文学賞受賞
岸美光[キシヨシハル]
1948年、埼玉県生まれ。元・東京都立大学教授。ドイツ文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)