商品詳細
80歳に近い高齢で、死を待つだけになった老婆・横尾こう。こうには先に死んでしまった息子と娘の、嫁と夫に財産を残したくないという憎悪があった。こうの死の床に立ったのは、あろうことか死へのお迎えでなく、家に忍び込んだ泥棒だった。泥棒に再び怨念の火をつけられたこうは、復讐のために死の床から蘇える……。表題作をはじめ、不思議な出来事が奇妙な世界へと誘う「異次元の夜」、いつもついてない男を描いた「無責任な恐怖」を収録した傑作集。
著者情報
森村誠一[モリムラセイイチ]
1933年熊谷市生。青学大卒。十年に及ぶホテルマン生活を経て作家となる。江戸川乱歩賞・日本推理作家協会賞・角川小説賞を受賞。推理小説の他、歴史小説・ドキュメントにも作風を広げている