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免震部材の接合部・取付け躯体の設計指針」(以下、本指針)は、第3版が発行後約5年が経過しました。この間に当委員会では、設計や施工時に生じる免震部材の接合部や取付け躯体に関する問題点について、論文調査を含め把握と議論を進めてきました。さらに、当協会の免震部材関係の他委員会と連携して、本指針への反映事項を確認してきました。また、本指針の準拠基準である「各種合成構造設計指針・同解説(日本建築学会)」(以下、各種合成指針)の2023年8月改定を機に、本指針の第4版改訂を行うこととなりました。
各種合成指針2023年版ではアンカーボルトに引張力とせん断力とが同時作用する際の組合せ力に対する係数αが原則1.0に変更され、本指針もαを1.0に変更しています。また、旧指針に関して質疑などがありました、周辺フレームの剛性が低い場合の積層ゴムアイソレータの反曲点高さへの影響、高支持力を受ける免震支承の下部コンクリート支圧強度確認、及びフランジプレートのボルト孔径の設定などについて、留意点や参考文献を追記しています。
今日、高い耐震性能を有する免震建物の重要性は広く認識されつつあります。しかしながら、免震設計における構造規定が確立されている状況ではなく、設計者による適切な判断が重要になります。免震部材の接合部と取付け躯体の設計においては、本指針を適宜活用し、より安全な免震構造の設計がなされることを希望しています。