商品詳細戦後75年――。
62の言葉が、この国の実像を照らし出す。
沖縄には言葉がある。もう少し正確に言えば、沖縄という地に関わった人たちの言葉は深く、重い。こんな場所は日本中どこをめぐってもないだろう。それは沖縄の歴史が人に考えることを促すからだ。 ――「はじめに」より
日本で唯一の地上戦が繰り広げられた沖縄。戦後末期から、終戦につづく米統治時代、さらに本土復帰を経て昭和、平成、そして令和の現代へ。沖縄をめぐって、どんな言葉が生まれたのだろうか? 62の言葉をとりあげ、その背景や意味をさぐって時代を読み解く。
第1章 沖縄戦の残影
●「沖縄県民斯ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」
――大田實・海軍少将
●「混乱と無秩序の中にも、最も愛する者、弱い者の命から先に絶って行くといった一つの筋道、順序みたいなものがあった」
――金城重明・沖縄キリスト教短大教授
第2章 米統治の闇
●「軍政府はネコで、沖縄はネズミである。ネコの許す範囲しかネズミは遊べない」
――J・ワトキンス米海軍少佐
●「天皇は米国が沖縄その他の琉球諸島の軍事占領を継続するよう希望している」
――昭和天皇に関するGHQ覚書
●「なんのかんばせあって、沖縄県民に相まみえんや」
――平良幸市・立法院議員
●「一リットルの水も、一握りの砂も、一坪の土地もアメリカのものではない」
――瀬長亀次郎・沖縄人民党書記長
第3章 本土復帰の騒乱
●「私は沖縄の祖国復帰が実現しない限り、わが国にとって『戦後』が終わっていないことをよく承知しております」
――佐藤栄作首相
●「総理、あなたもしばらくは山中を指揮することはおやめ下さい」
――山中貞則・総理府総務長官
●「歴史の検証が出来ないんですよ、何も (中略)日本は隠し事が多いから」
――西山太吉・元毎日新聞記者
第4章 昭和の葛藤
●「この極端な不均衡のなかで、両者の言い分を平等に取り上げることが果たして客観的、中立、公平を言えるのか」
――豊平良顕・沖縄タイムス相談役
●「思はざる病となりぬ 沖縄を たづねて果たさむ つとめありしを」
――昭和天皇
第5章 平成の胎動
●「行政をあずかる者として、本来一番に守るべき幼い少女の尊厳を 守れなかったことを心の底からおわびしたい」
――大田昌秀・沖縄県知事
●「ナンクルナイサは本土で、まったく通用しなかった」
――我喜屋優・興南高校野球部監督
第6章 普天間の虚実
●「最低でも県外の方向で、われわれも積極的に行動を起こさなければならない」
――鳩山由紀夫・民主党代表
●「こういった話がされること自体が日本の国の政治の堕落ではないか」
――翁長雄志・沖縄県知事
●「仲井真さん、弾はまだ一発残っとるがよ」
――菅原文太・俳優
●「民主主義というのは選挙こそ原点じゃないですか」
――菅義偉官房長官