商品詳細
2014年8月に宮内庁が公開した『昭和天皇実録』を丹念に読み抜き、昭和という 時代、昭和天皇という存在をさらに深く記録する、昭和史研究者としての著者の 満を持した試み。
著者は『昭和天皇実録』を、これまで民間に明らかにされなかった国家所蔵の記 録を用いたものである点で極めて重要な文書としながらも、その記述にはさまざ まな意図が隠されており、『昭和天皇実録』を真に意味あるものにするためには、 眼光紙背に徹した読解が必要だと言う。そこで著者は『昭和天皇実録』を歴史を 追って読み込みながら、その都度、著者の昭和史への圧倒的な識見により拡充し、 これまでの歴史研究の成果と突き合わせてゆく。
本書は『昭和天皇実録』をテーマとしつつ、昭和史の新たなスタンダードを確定 する画期的な一冊である。第1巻では昭和天皇の戦争体験を詳細に検証する。
著者情報
保阪正康[ホサカマサヤス]
1939年、札幌市生まれ。同志社大学文学部社会学科卒業。ノンフィクション作家。評論家。「昭和史を語り継ぐ会」主宰。昭和史の実証的研究のためにこれまで延べ4000人の人々に聞き書き取材を行い、独自の執筆活動を続けている。第52回菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)