商品詳細
『下流老人』の執筆を通じて見えてきたのは、「若者の貧困と高齢者の貧困は密接につながっている」ということだ。若者たちへの支援が十分でないと、彼らが年齢を重ねて高齢者になったときの生活状況が、悲惨なものになってしまう。すべての人がいずれ老人になり、体が不自由になり、年金や生活保護を活用することになる時期がやってくる。高齢者の問題は、若年層、中年層の明日の問題であり、生活の根幹にかかわる問題といえるだろう。今ここで対策を打たなければ、「一億総下流社会」が到来することは目に見えている。本書では、子どもから老人まで、あらゆる世代の貧困事例を紹介。さらに、生活保護をはじめ、貧困状態にある人が申請し受給可能な社会保障制度を挙げるとともに、貧困状態から抜け出すための具体的な解決策を紹介する。毎日新聞「経済プレミア」の連載に大幅加筆。日本の貧困問題のすべてが分かる。
著者情報
藤田孝典[フジタタカノリ]
1982年生まれ。NPO法人ほっとプラス代表理事。社会福祉士。ルーテル学院大学大学院総合人間学研究科博士前期課程修了。首都圏で生活困窮者支援を行うソーシャルワーカー。生活保護や生活困窮者支援の在り方に関する活動と提言を行う。聖学院大学客員准教授(公的扶助論)。反貧困ネットワーク埼玉代表。ブラック企業対策プロジェクト共同代表。厚生労働省社会保障審議会特別部会委員(2013年度)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)