天皇陛下「生前退位」への想い

保阪正康

毎日新聞出版

発売:2017/02/03

発行形態:書籍

ファイル:EPUBリフロー形式/1.5MB

ポイント:13pt

¥1,430( 本体 ¥1,300 )

商品詳細

サンデー毎日に短期集中連載中の「天皇陛下『生前退位』を解読する」に加筆して単行本化する。
7月13日、天皇が天皇の位を生前に皇太子に譲る「生前退位」の意向を示していると報じられ、このニュースは日本全国に衝撃を与えた。戦後社会と日本国憲法に合致する新しい天皇像を築いてきた現天皇は、なぜ今、退位の思いに至ったのか。長年、近代天皇制を研究し、現天皇と深い交流もある著者は、「生前退位」は、天皇が改憲への潮流を憂慮してなした決意である可能性を指摘する。現天皇は、安保法制から改憲に向かって戦争への警戒心をなくしてゆく社会状況に抗するかのように、太平洋戦争の犠牲者を追悼し慰霊する旅を続けてきた。また、近代日本においてはじめて、天皇制を民主主義の下に置くことを徹底してきた。自民党の改憲案では天皇を再び国家元首にしようとしているが、天皇はこの政体転換に強い批判を持っているだろうと著者は言う。
一方で、天皇は、平和を求める精神を皇太子に継承できたという安堵の思いも持っているのではないかと著者は見る。また、大正天皇と昭和天皇の最晩年、天皇がその役割を果たせなくなって摂政が置かれ、天皇の存在が稀薄化した時代から、現天皇は歴史の教訓を学んでいるのだろうと推察する。このあたりの歴史的検証は著者の面目躍如たるものがある。
天皇と著者の数年間にわたる交友が、会見記の形で書かれることも本書の特別な価値になると思う。
巻末に、「サンデー毎日」に一部掲載された青木理氏との対談「日本国憲法の『天皇条項』を見直せ」の完全版を収録する。読者は、天皇と憲法と民主主義をめぐる新たな思考に触れることになるだろう。

購入前の注意点

3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
・この書籍はKinoppy for iOS、Kinoppy for Android、Kinoppy for Windows または Kinoppy for Mac(いずれも最新版)でお読みください。
・電子書籍は会員サービス利用規約に則してご利用いただきます。
・海外会員様にはプレゼントを贈れません。

著者情報

保阪正康[ホサカマサヤス]
1939年、札幌市生まれ。同志社大学文学部社会学科卒業。ノンフィクション作家。評論家。「昭和史を語り継ぐ会」主宰。第五二回菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

この著者の他の商品・シリーズ

n
  • 「戦後」の終焉 80年目の国家論

  • 文藝春秋2025年9月号

  • 昭和陸軍の研究 下

  • 戦後80年 わたしは、この言葉を忘れない

  • 昭和100年×放送100年 音声と写真でよみがえる昭和 戦後編

  • 仮説の昭和史 戦前・日米開戦編 【毎日文庫】

  • 仮説の昭和史 戦中・占領期編【毎日文庫】

  • 保阪正康と昭和史を学ぼう

  • なぜ日本人は間違えたのか―真説・昭和100年と戦後80年―(新潮新書)

  • 昭和陸軍の研究 上

  • 昭和100年×放送100年 音声と写真でよみがえる昭和 戦中・占領期編