夜の歌

なかにし礼

毎日新聞出版

発売:2017/02/03

発行形態:書籍

ファイル:EPUBリフロー形式/9.4MB

ポイント:23pt

¥2,530( 本体 ¥2,300 )

商品詳細

サンデー毎日に連載された「夜の歌」の単行本化。まとめるにあたり大幅な加筆修正を行う。
本作品は、著者の咽頭がんが再発し、がんの穿孔による大量出血の危機が迫るなかで書き始められ、自らの人生と表現を集大成する「白鳥の歌」の重みを持つとなっている。
3つの時制からなる。病の進行におびえる現在と、著者が歌謡曲の作詩家として栄華を誇った70年代の芸能界と、著者の原体験とも言える満州での戦争と引き揚げの体験と。著者は『赤い月』などでは触れなかった、満州での人倫に背く自らの体験――自分が生き抜くために、他の日本人を犠牲にしたことなど――をも徹底して暴きながら、愛と官能に溢れた歌謡曲の名曲たちが、悪夢のような満州体験から生まれたものであることを初めて明らかにしていく。
70年代の芸能界における著者と安井かずみとの秘められた恋愛もこれまで語られたことがなく、本書のわかりやすい話題性になるだろう。
物語は、著者がレコード大賞二冠受賞の快挙をなしとげたまさにその時に、戦争の落とし子とでも言うべき極端な逸脱者である兄が、莫大な借金を著者に負わせるところで終幕を迎える。著者の戦後の華麗な日々にも、満州の不気味な闇が延々と続いていたのである。

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著者情報

なかにし礼[ナカニシレイ]
1938年中国黒龍江省(旧満洲)牡丹江市生まれ。立教大学文学部仏文科卒業。在学中よりシャンソンの訳詩を手がけ、その後、作詩家として活躍。日本レコード大賞、日本作詩大賞ほか多くの音楽賞を受賞する。2000年『長崎ぶらぶら節』で直木賞受賞。2012年3月、食道がんであることを発表。心臓疾患のため長時間の手術に耐えられないことから先進医療の陽子線治療を選択し、がんを克服(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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