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明治維新から日清・日露戦争を経て、「世界の一等国」の仲間入りを果たした日本。イギリスとの条約改正を成功させ、三国干渉を素早く収拾するなど、近代日本の外交の礎を創り上げたのが陸奥宗光ならば、日本の存在をさらに押し上げたのは、陸奥宗光に見出された、この小村寿太郎であるといってよいであろう。英米の力を背景にロシアに対抗し、その後、日本独自の大陸進出を目指した小村であったが……。小村が負わされた外交は、必ずしも順風の中での外交ではなかったのである。本書は、興隆期日本の命運を背負った小村の生涯と日本の近代化の過程を、あくまで客観的に描いた、力作評伝であり、近代史の研究書でもある。小村がこの世を去ったのは明治44年11月のこと。翌年、明治天皇は崩御し大正時代を迎える。明治日本の外交を担った男に運命的な何かを感じるのは、著者だけではないだろう。著者のライフワーク「外交官とその時代」シリーズの第二弾。
著者情報
岡崎久彦[オカザキヒサヒコ]
1930年大連生まれ。東京大学法学部在学中に外交官試験に合格し外務省に入省。1955年ケンブリッジ大学経済学部学士及び修士。在米日本大使館、在大韓民国大使館などを経て、1984年初代情報調査局長に就任する。その後も駐サウジアラビア大使、駐イエメン大使を務め、1988年より駐タイ大使。1992年退官。現在は岡崎研究所所長。著書に『隣の国で考えたこと』(中央公論社、日本エッセイストクラブ賞)、『国家と情報』(文芸春秋、サントリー学芸賞)、など多数
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