内容説明
普通の高校生・海以蒼太が乗る電車には、他校の美少女が乗っていた。冷たい態度で他人を寄せ付けない【氷姫】──東雲凪。それが彼女の名前。ある日蒼太は彼女が痴漢に遭っているのを目撃し、勇気を振り絞って彼女を助ける。その次の日、彼の前に彼女が再び現れて……。
「電車に乗っている間、傍にいて……欲しいんです」
友人がいないという彼女のお願いを断る事が出来ず、蒼太はそれを引き受ける。彼女にとって初めてで、たったひとりのお友達になる事を。
「一番は海以君って決めてましたから」
世界でたったひとり、自分にだけ甘く溶けていく他人に冷たい【氷姫】。蒼太は彼女とお友達であり続けられるのか──。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
33
いつも同じ電車に乗っている他校の美少女で、他人を寄せ付けない氷姫こと東雲凪。そんな彼女が痴漢から救ってくれた海以蒼太に徐々に懐いていく青春ラブコメ。電車に乗る時に傍にいて欲しいというお願いを断れず、一緒に電車に乗るようになって徐々に交流が増えていく2人。想いを試された軽いジャブにカウンターで渾身の右ストレートをぶちかましてみせたり、そこからの甘えるようになってゆく彼女の変貌っぷりは圧巻で、だからこその急転直下の展開にはハラハラさせられましたけど、諦めずにぶつかって乗り越えてみせた2人の結末は良かったです。2024/05/10
和尚
26
容姿と矜持から氷姫と呼ばれる東雲凪。そんな彼女を主人公の海以蒼太が電車で助けたことから距離が縮まり、氷の壁が解けて尊くなっていく様を見守る恋愛物語。 良かったです!文章のリズムも良くてすらすらと読めました。面白かった。 挿絵も綺麗でありコミカルでもあり文章と合っていて、ヒロインの氷が解ける様もとても良い。終わり方も綺麗で、友人たちのいい仕事も含めて、微笑ましく頬が緩む良作でした、優しい純愛もの好きの方には特におすすめ!2024/05/10
わたー
23
★★★★★面白かった。通学時に同じ電車に乗ることが多くて気になっていた、誰も寄せ付けないような美貌を持つ女の子。ある日、彼女を痴漢から助けたことで交流が始まるラブコメ。よくある、クールな彼女が自分にだけ別の顔を見せる系のギャップラブコメかと思っていたのだが、バーナーで炙ったのかと思うぐらい氷が融けるのが早かったのには流石に笑った。また、印象的だったのは彼女が恋心を自覚した後のシーン。彼の周りを善意で引っ掻き回そうとしていた親友くんの思惑に乗っかり、それを利用して彼との関係性を強固なものにする。2024/05/23
サキイカスルメ
21
甘い!!一対一ラブコメとしての甘さの描き方がとても好き。イチャイチャ部分を永遠に眺めていたくなるって、恋愛作品では凄く大事なことだと思うんですよね。登場人物全員が優しい良い人たちで、嫌な気持に全然ならないのも良かったです。イラストも女の子の可愛さと、主人公の顔の良さが素晴らしかったです。みすみさんのイラストやはり良い。2024/05/14
真白優樹
20
いつもの通学電車で見かける「氷姫」と呼ばれる少女を痴漢から助けた少年が、彼女から傍に居て欲しいと言われ始まる物語。―――貴方だけ、自分だけ。ならばその特別を永遠に。正に砂糖100%、友達という言葉への概念が崩壊するかもしれぬ距離の近さで友達から始めていく物語であり、ゆっくりと深めた後最後は一気に距離を詰める、正に心に優しい甘さが尊い物語である。果たしてこの先、二人の関係はどこまで進んでいくのか。まだまだ色々あるだろう中、二人はやってくる試練をどう乗り越えていくのだろうか。 次巻も勿論楽しみである。2024/05/11