内容説明
「私は東京都民一千万人を誘拐する計画をたてた。身代金として十億円を要求する。」都知事の秘書室長日高にかかってきた電話は不思議なものだった。最初はいたずらだと思っていた日高も、都民が予告通り殺害されるにつれ本気だと認めざるを得なくなった。秘書室から連絡を受けて捜査にのりだした十津川警部補は、息の詰まるような緊迫感の中、犯人と巧みな頭脳戦を繰り広げる……。著者の真骨頂を示すミステリ五編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
オーウェン
50
中身は短編5つであり、表題作はスケールの大きい西村さんならではのミステリ。 都庁に掛かってきた脅迫電話。 それは都民の一千万を誘拐したとして、10億円の身代金を要求。 当然それを無視するが、犯人はその証拠に殺人を起こす。 十津川警部が担当するのだが、規模のわりに犯罪が杜撰。 そもそも一千万を人質にという無理がある中で、十津川の罠にあっさり引っかかる犯人。 まあ短編だからこれぐらいが丁度いいのだろう。2023/11/15
みなみ
27
「受験地獄」「第二の標的」「白い殉教者」「一千万人誘拐計画」「天国に近い死体」の五編が収録された初期の短編集。なかでも皮肉がきいた「受験地獄」と解決方法が鮮やかな表題作がお気に入り。2025/10/30
井川浩
12
短編集です。タイトルナンバーの一千万人誘拐計画の発想力と十津川警部の仕掛けがおもしろく、犯人との心理戦が見事なストーリーでした!2024/07/16
しなもん
0
短編。警察が入っているのにあっけなく殺人が起こりすぎるが、昭和58年の作品の割に古さも感じず楽しく読めました。刑事の友達が問題解決するのはご愛嬌。2025/03/13
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