ゴリラ裁判の日

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ゴリラ裁判の日

  • 著者名:須藤古都離【著】
  • 価格 ¥1,826(本体¥1,660)
  • 講談社(2023/03発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065310090

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内容説明

カメルーンで生まれたニシローランドゴリラ、名前はローズ。メス、というよりも女性といった方がいいだろう。ローズは人間に匹敵する知能を持ち、言葉を理解する。手話を使って人間と「会話」もできる。カメルーンで、オスゴリラと恋もし、破れる。厳しい自然の掟に巻き込まれ、大切な人も失う。運命に導かれ、ローズはアメリカの動物園で暮らすようになった。政治的なかけひきがいろいろあったようだが、ローズは意に介さない。動物園で出会ったゴリラと愛を育み、夫婦の関係にもなる。順風満帆のはずだった――。
その夫が、檻に侵入した4歳の人間の子どもを助けるためにという理由で、銃で殺されてしまう。なぜ? どうして麻酔銃を使わなかったの? 人間の命を救うために、ゴリラは殺してもいいの? だめだ、どうしても許せない! ローズは、夫のために、自分のために、正義のために、人間に対して、裁判で闘いを挑む! アメリカで激しい議論をまきおこした「ハランベ事件」をモチーフとして生み出された感動巨編。第64回メフィスト賞満場一致の受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夢追人009

647
アフリカのカメルーンで生まれた雌ゴリラのローズは手話が出来て知性を持ち機械を使えば人と会話もできる稀有な存在で全世界の注目の的となりアメリカの動物園に移されますが、そこでボスゴリラの夫が不幸なアクシデントにより射殺されてしまいます。彼女は怒り動物園を相手に裁判を起こすのですが…。ローズは素直な優しい人柄で誰も好きにならずにおられず彼女に共感し同情して涙が溢れる場面も多々あります。途中では脱糞ネタやプロレスラーのエピソード等で笑える場面もありますが、基本は生真面目なヒューマニズム(人間愛)に満ちた小説です。2023/04/02

starbro

556
メフィスト賞受賞作ということで読みました。本書は、前代未聞のゴリラ裁判ファンタジーの快作でした。最初コメディなのかと思っていたら、ユニークでシリアスな人間および霊長類の人権&存在意義を問う高尚な内容でした。ゴリラがプロレスまでやるとは思っていませんでしたが🦍🦍🦍 今年のBEST20候補です。 https://gorilla.kodansha.co.jp/2023/04/19

青乃108号

472
手話を覚えたゴリラのローズが裁判沙汰に巻き込まれるという話。色々不満が残る作品だった。メフィスト賞受賞作に加筆修正されたものらしい、デビュー作だと思われる。多分編集者不在で、著者の独りよがりで全部が仕立てられたのだろう。不満①冒頭は裁判場面にするべきではない。最初から作品のキモを明かしてどうする。不満②ジャングルの描写が無闇に長過ぎる。不満③ローズが言葉を学習する過程が全く描写されていない。絶対必要。不満④何故プロレスさせる必要が。不満⑤裁判判決後、様々な事が起こるのが全部蛇足。全面的に大修正が必要かと。2023/08/01

のりすけ

380
常識外れの知恵を持ったゴリラたちが人間相手に裁判を起こすSFチックな話、だと思ってたら違った。そんなイージーな話じゃなくローズと言うゴリラの立場を借りて、人間とは、司法とは、共に生きる事とは…を問いかける傑作だった。ローズは人格ゴリラではなく、ちょっぴり短気なところもあってチャーミング。幸せに生きてほしいなー。2024/08/11

松本ぼんぼん

353
どなたかのレビューから読みたくなりました。フィクションなのにノンフィクションを読んでいるみたいでした。嘘だろう?嘘だろう?と思いつつ飲まれました。 ゴリラのローズが人語を解し人のように考える。(ゴリラは人である)とても面白く、読後、清々しさが残りました。2023/05/15

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