三体X 【観想之宙/かんそうのそら】

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三体X 【観想之宙/かんそうのそら】

  • ISBN:9784152101334

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内容説明

アジアに初めてヒューゴー賞をもたらし、世界で2900万部、日本でも63万部を売り上げた『三体』三部作を、劉慈欣を敬愛する中国新世代のSF作家・宝樹が受け継いだ。謎のすべてが明かされる公式スピンオフ! 太陽系侵略をもくろむ三体文明の懐に、人類のスパイを送るという「階梯計画」の主人公となった孤独な男・雲天明(ユン・ティエンミン)。彼はいかにして三体文明のもとで過ごし、程心(チェン・シン)の前に現れたのか? シリーズ完結篇である『三体III 死神永生』で描かれたさまざまなできごとの裏側、知りたかった事件がすべて描かれる。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

216
石森章太郎の『リュウの道』を思い出させた。脳だけになって敵艦隊に送り込まれる『三体』シリーズで最も過酷な運命にさらされる雲天明だが、そこでいかなる人間にも考えられない経験を重ね、ほとんど時間を超越する神人に等しい高みにまで達して人類の歴史を眺めるまでに至るのだから。明確には描かれないがカレルレンか惑星開発委員会のような超支配者が存在し、宇宙の深淵を見せつける代表として雲天明を呼び出したかのようだ。原作の収拾しきれなかった隙間や伏線を壮大なドラマに綴った手腕は見事だが、完璧に理解できた読者はどれほどいたか。2022/08/08

absinthe

189
面白い!どうせ出来の悪い2次創作だろうと思っていたがとんでもない!アイデア豊富な作家で、意外性だけでなく緻密な工夫もある。他の作家の未回収の伏線を拾い上げつつ新たな世界を構築していくのはなかなか出来ることではない。劉先生はどこまで冗談でどこから本気か分かりにくいところが売りだが、そういうところまで受け継がれている。宇宙の運命を左右できる主人公が実在AV女優と涼宮ハルヒのエンドレスエイトについて大真面目に語り合うのだ。普通に考えたらただのネタだが。大まじめにやると傑作になるのだ。2022/12/12

R

130
三体の登場人物の一人雲天明を主人公にしたスピンオフ的な物語。別作者によるものだそうだけど、中国のSF感、ヲタク感といったものが端々から感じられて面白かった。三体人を社会性昆虫に例えてつつ、さらに意思疎通が直接交渉になるのは、それぞれが端末の一つでしかなく、集合連結してこそ叡智が発揮できるという解釈はなるほどと納得できた。文化による侵略という概念に日本が持ち出されるのに驚いたけど、そんなにすごい影響あるもんだろうかと思ってしまった。あと、武藤蘭を好きすぎる。2023/02/20

KAZOO

121
この本は「三体」のスピンアウト作品なのでしょうね。「三体」を読んでいないとわかりやすさや愉しみは半減してしまうと思われます。そのために親切にも「三体Ⅲ 死神永生」のあらすじも掲載されています。三体で謎やあまり説明されていないことなどがよくわかるような感じにはなっています。ただもう少し話の発展があってもいいのではないかと感じられました。2022/08/03

まえぞう

111
三体三部作の二次創作で、前半は三体本体の内容を補完するような話しですが、後半はこの作者の想像がもたらした創作です。作者は本当に三体が好きなんですね。何回も読み込んだんだと思います。2022/08/14

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