日本の南進と大東亜共栄圏

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日本の南進と大東亜共栄圏

  • 著者名:後藤乾一
  • 価格 ¥2,750(本体¥2,500)
  • めこん(2022/06発売)
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  • ISBN:9784839603298

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内容説明

アジアを学ぶとき日本人として必ず整理しておかなければないテーマ……。
日本人はいつごろから、どのようなかたちで、東南アジアに進出していったのか? アジア太平洋戦争の時代、日本軍は東南アジアで何をしたのか? 日本が戦争遂行の大義として掲げた「大東亜共栄圏」とは何だったのか? その大義は果たされたのか? 東南アジアの人たちはどのように受け止めたのか? その記憶は、東南アジアでは、どのように受け継がれているのか? 日本では?
大量の文献と先行研究の分析を基に、包括的かつ客観的にまとめた「アジアの基礎知識」第6巻です。

目次

第1部 戦前期日本は東南アジアとどう関わったのか

1 二〇世紀転換期の日本と東南アジア

国際関係の中のアジア
日本・東南アジア相互認識の形成
初期日本人社会の相貌 
 1 「からゆきさん」再論
 2 東南アジア関心の高まり
 3 在留富邦人の二重構造 「中継地域」と東南アジア
 1 小笠原諸島領有と南洋群島
 2 台湾=「図南の飛石」
東南アジアから見た日本
 1 日本人社会へのまなざし
 2 日露戦争のインパクト 

2 一九三〇年代の日本の「南進」と国際環境

第一次世界大戦後の国際秩序と日本
東南アジアへの経済進出
 1 貿易摩擦と対日警戒感
 2 漁業問題の発生・展開・帰結
東南アジアの華僑ナショナリズムと日中関係
「一九三六年危機」論をめぐって
 1 国際連盟脱退から「無条約時代」へ
 2 「非常時日本」と太平洋世界
 3 「躍進台湾」と南進論
「国策ノ基準」と「南進」政策
 1 海軍と「国策ノ基準」
 2 新南群島の台湾編入
 3 豪亜地中海・ポルトガル領ティモール問題
アジア主義者の東南アジア関心
 1 大亜細亜協会と南方問題
 2 『大亜細亜主義』に見る在日東南アジア民族主義者の発言
東南アジアのナショナリズムと日本
 1 日本の東南アジア観の引照枠
 2 一九三〇年代東南アジア民族主義者の日本観
 (1)インドネシア民族主義者と日本
  ■?・ハッタの訪日記録
  ■スバルジョの滞日一年
  ■スカルノの「太平洋戦争」予見論
 (2)フィリピン――M・ケソン大統領訪日と日比米関係
 (3)ビルマ――ウー・ソオ著『日本案内』

第2部 東南アジアにとって「大東亜共栄圏」とは何であったのか

3 東亜新秩序論から開戦へ

日中関係と台湾
政策決定過程における「南進」問題
 1 陸軍の南方関心
 2 日蘭会商と仏印進駐
東南アジア占領構想の基本方針
 1 「重圧」受忍論
 2 海軍省調査課作成の「大東亜共栄圏論」
「大東亜戦争」開戦と戦争目的

4 東南アジアと「大東亜戦争」

基本的諸問題の鳥瞰
 1 帰属問題  
 2 資源問題
 3 インフレ問題
 4 抗日抵抗運動の諸類型
統治形態別に見た各地域の状況
 1 同盟国タイ
 (1)強いられた同盟関係
 (2)バーンポーン事件と泰緬鉄道
 (3)ピブーン首相と大東亜会議
 (4)戦局悪化とプリーディー派政権の登場
 2 二重支配地域――仏印三国とポルトガル領ティモール
 (1)ベトナム
  ■日本軍の南部仏印進駐
  ■ベトナム復国同盟会とクオン・デ候
  ■開戦後の仏印
  ■仏印処理とベトナム民族主義運動
 (2)ラオス
  ■日仏二重氏支配期のラオス
  ■仏印武力処理後の地方都市
  ■プーミー・ヴォンヴィチット回想録 
 (3)カンボジア
  ■日仏二重支配期と「傘のデモ」
  ■仏印武力処理とカンボジア
 (4)ポルトガル領ティモール
  ■日本のポルトガル領ティモール関心
  ■横浜=ディリ航空路開設と総領事館設置
  ■日本軍支配とティモール人
 3 軍政施行地域
 (1)ビルマ
  ■東条首相議会演説と対ビルマ方針
  ■バ・モオ首相と対日協力
  ■抗日蜂起へ
 (2)フィリピン
  ■開戦前後のケソン大統領メッセージ
  ■日本軍のフィリピン認識と「独立問題」
  ■「独立」後の日比関係と大東亜会議
  ■激化する抗日ゲリラ活動
 (3)マラヤ・シンガポール
  ■「帝国領土」への編入対象
  ■マレー人社会の指導層
  ■華僑ナショナリズムと日本
  ■抗日運動
 (4)インドネシア
  ■政治・軍事面
  ■社会・経済面
  ■文化面
  ■「独立問題」をめぐって

第3部 「大東亜共栄圏」をめぐる み合わない歴史認識

5 東南アジア諸国の対日歴史認識の比較
東南アジアの日本占領期認識の比較
 1 歴史教科書の比校
 2 二人の「建国の父」の日本軍政観
 (1)インドネシア・スカルノ大統領の独立記念日演説から
 (2)シンガポール・リー・クアンユー首相回顧録から
 3 世論に見る東南アジアの日本観
日本の東南アジア占領認識
 1 一九九三年細川首相発言と「歴史認識問題」
 2 教科書記述に見る東南アジア占領

6 「殺身成仁」史観を超えて――真の「未来志向」の関係とは

あとがき
関連略年表
主要参考文献
索引

感想・レビュー

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Go Extreme

2
戦前期日本は東南アジアとどう関わったのか: 二〇世紀転換期の日本と東南アジア 一九三〇年代の日本の「南進」と国際環境 東南アジアのナショナリズムと日本 東南アジアにとって「大東亜共栄圏」とは何であったのか: 東亜新秩序論から開戦へ 東南アジアと「大東亜戦争」 「大東亜共栄圏」をめぐる嚙み合わない歴史認識: 東南アジア諸国の対日歴史認識の比較: 「殺身成仁」史観を超えて―真の「未来志向」の関係とは2022/07/04

くまパワー

1
南進政策と大東亜共栄圏を注目し、戦時中だけではなく、明治期からゆきさんから現在に至るまで長い時間を紹介し、極めて豊富の一冊である。いっぱい一次資料を分析し、たくさんの図表を作成し、また各国別で詳しい記述し、多くの研究視点もしくはアイデアをもらうことができる。日本の東南アジア占領は単なる戦争活動ではなく、長い時間をかけた南進政策の産物である。各国の場合は違うが、政策のつながりや連鎖性があり、比べて分析する必要がある。最後の参考文献と関連年表はすごく役立つだ。また戦争歌謡は何度に出てとても面白いと思う。2022/09/26

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