内容説明
ガンの病床で作ったのも、俳句でした。
俳句の話から、縄文、仏教、懐かしのプロレス話に
あの人との逸話まで――縦横無尽に綴った仰天エッセイ!
リンパがんのステージIIIと診断され、ほとんどの連載もお休みに。
そんな中で綴ったのは、長年秘かに続けていた俳句について。
「俳句の季語は縄文である」と語る夢枕獏が、ずっと考えてきたこと、
今書いておきたいことを詰め込んだ“夢枕節”炸裂の闘病×俳句(!?)エッセイ。
【目次】
第一回 真壁雲斎が歳下になっちゃった
第二回 尻の毛まで見せる
第三回 オレ、ガンだからって、ズルくね
第四回 「おおかみに螢が一つ――」考
第五回 翁の周辺には古代の神々が棲む
第六回 すみません、寂聴さん書いちゃいました
最終回 幻句のことをようやく
補遺 野田さん
あとがき 言葉の力・そしてあれこれ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
174
夢枕 獏は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、夢枕節”炸裂の癌闘病×俳句(⁉)エッセイでした。 著者には陰陽師シリーズだけは完結して欲しいと思います。 最期に一句、「獏枕 夢枕かな 癌快癒」お粗末様でした(笑) https://books.bunshun.jp/ud/book/num/97841639155622022/07/13
ぐうぐう
42
リンパがん闘病中に書かれたエッセイ。とはいえ、これはいわゆる闘病記とは違うし、それ以前にまるで悲壮感がない。治療に専念するため、多くの連載を中断しなければならず、その中で考えたのは、創造すること、そして書くことであったとする夢枕獏の、まさしく全身小説家としての凄みに圧倒されるエッセイなのだ。もちろん、タイトルにあるように、俳句が重要な柱にはなっているものの、脱線に次ぐ脱線で、なかなか本筋に行かないのがおかしい。(つづく)2022/07/26
Tanaka9999
23
2022年発行、文藝春秋の単行本。全7回+補遺+あとがき。決して、エログロなバイオレンスだけの作家と思ってた訳ではないが、どっちかいえば奇天烈なモノを書く作家というイメージのある人。本文中に「書いたあとで理屈を考える」と書いているが、(当然なのだろうが)後付けであってもしっかりした理屈を付けれる知識があるのはすごい。あと、調査しだすとキリがないから適当なところで走り出す、というのはよくある処世訓だが、実際それでうまくいくのはバランス感覚が適正だからだろうな。2022/08/01
OHモリ
21
・俳句をテーマにしたエッセイなのだが、実は夢枕獏さんがどんな人間で作家としてどんな世界観で小説を書いているかがよく分かるような気がしてとっても面白かった(彼が書く小説の世界観が好みかどうかは別として)。縄文と俳句、アインシュタインのe=mc²まで出てくる世界観はとっても面白く興味深かった。詳細はblogで→https://plaza.rakuten.co.jp/drunk4374books/diary/202301010003/2022/12/27
ガットウ
19
★★★★4.8点。ソノラマ文庫の頃からの夢枕獏ファンとしては、もう何と感想を書いて良いのかわからない!!ともかく最後まで追いかけます。2022/08/03